ハイエナの嫉妬心に (ページ22)

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☆22話ページ22

あれは、夢ノ咲でレッスンをし始めて2日目とかそんぐらいの時だった

おひいさんはレッスンが終わったと同時に、ジュンくん！この前食べたキッシュが食べたいね！！と言って当たり前のように俺をパシリに駆り出す。仕方なく財布とスマホだけ持って指定された店に向かった

『おひいさんホントもぉ…あの人は…』

『ど、どいてどいてぇええ！！』

『え？』

聞こえてきた声に振り返ると、割と重そうな厚みの書類を抱えた女子生徒がこちらに突っ込んでくる。頭ではわかるも、体はついてこない。そのままその女子生徒とぶつかると綺麗に書類が空中に舞った

『いっててぇ……あっ！！すみませんです！！』

『い、いや、俺は平気ですけど…アンタの方が平気なんすか？かなり勢いよく転んでましたけど』

『あ、大丈夫っす！私頑丈なんで！』

そう言って自身の頭をコツンと叩く女子生徒に、ポカンとしてしまうのを耐えてなんとか言葉を絞り出す

『はぁ...まぁ大丈夫なら、いいんですけどねぇ？どうぞ』

『あぁ、ありがとうございます』

集めたプリントを渡すと、その女子生徒はへらっとした笑顔を浮かべて俺の手に握られたプリントを受け取る

そして、その笑顔は俺の頭に焼き付いた

『Aちゃーんやっと見つけた！
大人しくお仕事なんてサボってさ、デートしようよ、デート！』

『ゲッッ！！羽風先輩もう来てる！？はえぇな！？
すみません、プリントありがとうございました！！逃げろ逃げろ！！』

そういって走り去った女子生徒のあとを追っていく見た感じ3年生らしきチャラめの男子生徒。あれに追われているのか、と思いながら少しポーっとする頭のままおひいさんのキッシュを買うために半分無意識的に足を動かした