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☆13話 ゞ ページ13

「その…スタジオ、戻んなくていいんですか?そろそろ本番再開するらしいっすけど」

「…うん、戻ろっかな」



会話はそこで途切れ、再び重い沈黙が私達の間に流れていく。重い、重すぎる。こんなことなら、守沢先輩辺りに話術でも習うべきだったか?とすら一瞬考えたが、あの人は元が陽キャだから関係ないことに気づいてしまう。生まれ持った才能ってか!?泣くしかない


「じゃあ、戻りましょうか」

「あ…」



私に背を向けてドアノブに手をかけようとする漣。もう変に考えるのはやめた。この機会を逃したら多分、一生漣と喋ることは無い。それは嫌だ。

そう思えばあとは早かった。体はすぐ漣の元へ行き、ドアの外に出ようとする漣の腕を掴んで 呼び止めた


「さ、ざなみ…」


「…なんですか?」


「……その」




やばい、思うように声が出ない
喉につっかえてしまって出てこない言葉を、無理やり出そうと口を開くが全然思うようにならずに口をパクパクしているだけになってしまう

どうしよう どうしようと思えば思うほど頭の中が真っ白になっていき、とうとう私は口を固く閉じてしまった



「……」

「なんも用がないなら、さっさとスタジオに」

「っ、待って!」



今度こそドアノブを掴もうとした漣を再び止める。なんなんすか、と言いたげに私を見下げる漣に怒りを覚えた。なんで私が悪いみたいになってるの?アンタがあんな変なメールよこさなきゃいい話じゃんか。私はそんな負の感情に任せて話し始めた





「…なに、あのメール」

「文面通りっすけど」



さらっと言う漣の態度にイライラが溜まっていく。怒りをあらわにしてしまうのはいかがなものかとも思うが、今の私は正常な判断ができるほど情緒は安定していなかった



「意味わかんない。なんで突然?」

「…元々、ずっと送ろうとしてたんで」

「なに?私がなんかした?」

「………」

「ねぇ、質問ぐらい答えてよ」



どうしても高圧的に話してしまうのを止められず、そのまま畳み掛けて話す。漣も私の雰囲気がまずいことを理解したのだろう、緊張なのか知らないがうっすらだけれど汗をかいていた



「…俺は」



漣は壁に向けていた体はそのまま、顔だけを私の方に向けて険しい顔を晒した



「Aと、一緒にいるべきじゃないんですよ」


「…は?」


頑なに視線を合わせようとはせずに眉を寄せる漣の言葉に、反射的に高圧的な声が出た

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作者名:モモ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kid0019/  
作成日時:2020年2月24日 11時

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