薬研藤四郎 ページ18
「少しいいか?」
『おや?薬研か・・・どうしたんだい?』
薬研藤四郎・・・織田信長の守刀
最後は本能寺で散っていった短刀
「さっき、医術の心得があるって言ってたよな?
本当なのか?」
『あぁ、そうだね
一通りの知識は身につけてあるよ
実はね私はずっと神社にいた訳ではないのだよ
数年間・・・かな
医術に達者な人間の刀をした事がある』
「へぇ・・・それは驚いた」
『お鶴みたいだな』
「その、"お鶴"って・・・まさか」
『鶴丸国永の事さ』
「鶴丸の旦那がお鶴か・・・クッ
ちょっと笑っちまうな」
『そうかい?』
「あぁ、俺はな戦場で生まれて戦場で育った
だから医術に達者なんだ」
『戦場か・・・
私にとっては無縁の場所だね
戦場で使われていたが昔だからね
ほとんど覚えていないさ』
「そうなのか・・・
なんかすまねぇな」
この小さな体に何を溜め込んでいるのだろうか
彼は私と似ているのかもしれない
『また、聞きたい事があれば聞きに来なさい
いつでも構わないよ』
「あぁ、助かる
ありがとな切永の旦那
少し楽になった
いち兄のことも助かったコソッ」
『フフっなんの事やら』
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作者名:伊織(元三日月) | 作成日時:2020年6月2日 21時