粟田口の兄 ページ15
『お邪魔しても構わないかい?』
「えぇ、勿論大丈夫ですよ
烏切殿」
『そんな堅苦しい呼び名はよしてくれたまえ
切永でいいよ
昔からこうだからね』
「そうなのですか・・・では、そうさせて頂きます」
『はい』
一期一振・・・粟田口の長男にあたる人物
対して
烏切国永・・・五条の長男
なかなか気が合うものだろうか・・・
「噂程度ですが、鶴丸殿とは正反対なのですな」
『お鶴とか・・・そうだろうね
鶴はヤンチャだけど私はヤンチャでは無いが、
驚きは好きですよ』
「やはり、少々似てはいますな
そしてやはり、長男だ」
『おや・・・お世辞はそこまで
君だって長男で沢山の弟達がいるだろう?
私には、お鶴と夫しか居ないからな』
「貴方にとって弟とは・・・何ですか?」
『私にとって・・・か
考えた事がなかったな
・・・ふむ、強いて言うならば
心強い者であり
分かち合える者であり
良き相棒であり
好敵手でもある』
「そうですか・・・
よく思うのです
弟とは何か・・・」
『・・・お主の思うようなもので良いのではないか
沢山の弟がお前を、一期一振を支えている
それで良いのではないか?』
「そうですね・・・
少し楽になりました
ありがとうございます」
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作者名:伊織(元三日月) | 作成日時:2020年6月2日 21時