ハート乱用する系上司に日々苛ついています【文スト】

ハジメマシテが6個 ページ34

つい、と立ち上がった治くんが扉を開ける。
コツコツと硬質な音を立てて、綺麗な女の人が入ってきた。…なんだか花魁みたいな美人だ。花魁…と、云うかあれだ。傾国…の美姫…みたいな。私が男だったら全財産貢ぐ。確実に。

「太宰、その娘が…」

わあ、声も綺麗。これでもう少し小さかったらストライクゾーンど真ん中だっただろうな…。

「…何で姐さんが知ってるの？僕の管轄だと思うのだけれど」

若干不機嫌そうな顔をした治くん。
わー…顔が整ってると何でも可愛いく見えるよねぇ…。世の中って本当に不公平だよ…。
まあ、幾ら不公平を嘆いたって現状は変わらないのだけれども。

「そなた、名前は？」

美人さんに名前聞かれちゃったよ…どうしよう…。此処で下手な受け答えしたら殺される気がするよ…。

『…森見です。えーと…』

「私は尾崎紅葉。気軽に姐さんとでも呼びなんし」

畏れ多いですよ、綺麗すぎんだろ…！！

『はい、…姐さん』

私と姐さんの遣り取りを真顔で見つめていた治くんが、間に割り込んできた。心做しか、頬が膨らんでいる様に見える。

「…Aさんは僕の部下にするんだから、あんまり触らないでよね」

ーーー
次は中也！頑張ります！

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