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人間と死神の境界線は酷く曖昧で薄ぼんやりとしていながらも、なかなかに強固な物だ。
だから其れを破ることは禁忌とされ…かつて其れを破ったテイカーは……とされた。
「…んっ」
ふぅ、と汗を拭ってまた身軽に屋根から飛び降りた。脚に衝撃は殆ど無い。
あった所でそれは微細なダメージにしかならない為に気付かないのだ。
喩えるならば、日常的に痛みに晒されていたものが痛みに鈍くなるように。業務を滞りなく進める為に私たちにはそういう加工がしてある。
痛みは決心を鈍らせるから。
「あら、伯爵。もうお帰り?」
にこにこと人あたりの良い笑みを浮かべて伯爵の方を向く。ああ、見逃してしまった。
「ああ。…また来る」
また、ねぇ?その「また」の時に私は居るのかな?…まあ居たらいいよね。
「またのお越しをお待ちしております。…次は私も笑わせてね」
心にもない一言を付け加えて店の中へ戻って行く。仄暗い店内のあちこちに見られる棺桶をそっと撫で、昼食の支度をする為にキッチンへと戻っていった。
今日の昼食は何にしようかな。
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椿(プロフ) - 孤歌さん» 長期間お待たせして申し訳ありませんでした!そして、ずっと待ってて下さって有り難うございます(泣)嬉しすぎて泣きそう…あ、もう泣いてる(笑)更新頑張ります。これからもこの作品を宜しくお願いします! (2019年3月12日 19時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
孤歌(プロフ) - はじめまして!去年からずっと待ってました!復活してよかったです゜゜(´O`)°゜これからも更新がんばって下さい! (2019年3月12日 19時) (レス) id: 5a595ce298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3d9bdea2451/
作成日時:2019年3月7日 0時