怪演女優 Fifty Two

リモート女子会 ページ25

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橋本「へぇー、じゃあ撮影順調なんだ。」

『うん、このまま行けば三月中旬くらいには帰れるかな。』

橋本「マジで？帰ってきたらご飯行こうよ。」

『いいね、約束だよ。』


もう既に死語というか、逆に定番になってきているのかもしれないけれど、日本と海外の距離になると、リモート女子会はかなり便利である。

女子会と言っても、キラキラ女子が数名いるという訳ではなく、月に一回あればいい方の環奈ちゃんとのビデオ通話である。

関係性的に「一ヶ月に一回は必ず集まろうね！」という感じでもないので、なんとなくこの距離感に落ち着いているけれど、すごく居心地が良い。


橋本「てかさ、彼氏と三ヶ月遠距離恋愛ってどんな感じなの？」

『どんな感じ……、んー、遠距離で、恋愛をしてる感じ。』

橋本「まんまじゃん。」

『いや、だってそれ以外に比喩の表現がないんだもん。ただ離れて暮らしてるだけって感じだよ。たしかに会えないけど今みたいに顔は見れてるし。』

橋本「不安とかないの？」

『うん、私の事好きだって事は痛いほど伝わってるし。』

橋本「うわあ、惚気られた。」

『環奈ちゃんだって大志くんの事とか惚気ればいいじゃん。』


そう、遡ること三ヶ月ほど前。

2022年の11月、環奈ちゃんは初めての熱愛スクープを撮られたのである。

そしてその相手が、去年、大河ドラマで共演していた中川大志くん。

無論、どっちからも聞いていなかった為、私も報道が出た日に知った。

かなり取り乱したし、すぐに電話した。

「ほんとに！？ほんとに付き合ってたの！？」の前に、「なんで教えてくれなかったの！？」が来るとは思ってなかったのか、環奈ちゃんは笑ってた。


橋本「惚気って言っても、お互い撮られたらまずいよねってなってるからデートとかも行かないんだもん。特に惚気ける事ないよ。」

『でもさぁ、何回も言うけど私には教えといてくれても良かったよね？』

橋本「いや、もちろん教えようと思ったよ？だけどさ、付き合ってから撮られちゃった速度が速すぎて、言う暇なかったの。」

『……。』

橋本「むすーっとしないのー。」

『だってなーんにも知らなかったんだもん、付き合い長いのに。』

橋本「え、もう何年？」

『……、え、今日俺が放送されたのが何年だっけ。』

橋本「えーっとねぇ……え、2018……。」

『え、やば、もう五年前じゃん。』

橋本「……うちらその時まだ19？」

『……え、こわぁ、』

橋本「あと一年でうちら……。」

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