喧嘩ができないスケバンちゃん。４！【今日から俺は！】

第３８話！ ページ44

『で、誰もいない屋上でキスされちゃいました...！』

京子「お前ー！ロマンチックじゃねぇか！ぶっ飛ばすぞ！この野郎！」

『京子さんはどうだったんですか？』

京子「私は、体育館裏でー、花火見てー、ずっと一緒にいようねって言われたー！」

『それヤバいじゃないですか！ずっと一緒にいようねは本当にやばーい！』


明美「朝っぱらから胸焼けするんで、そういう話で盛り上がんの辞めてもらえますかね。」


昨日の白熱の後夜祭から一夜明けて。

京子さんと私はお互いどうだったか、という報告会をしていたところだ。

京子「そういう明美はどうだったんだよ、あの激弱彼氏となんかあったのかよ。」

明美「い、いや、あれとはなんもなかったんっすけど...」

『けど？』


明美「...また今井さんから告られました。」


明美さんのその一言に、私と京子さんは顔を見合わせた。

そして同時に

京子「乗り換えればいいのに。」
『乗り換えちゃえばいいのに。』

と言って、何故か知らないけどハイタッチをした。

明美「ばっ、馬鹿な事言わないでください。あんなんでも、彼氏は彼氏ですから。」

京子「いや、でも、なぁ？」

『ちなみに、どこで告白されたんですか？』

明美「...階段下っす。」

京子「いやいやいや、もうそれは。」
『いやいやいや、もうそれは。』

また京子さんと同時に言い、また何故かハイタッチをした。

なんか恒例になってんのか、これ。

京子「そんな告白の王道みたいな場所で告白する人は、本当に幸せにしてくれるって。」

『階段下とか、いいなぁ。まるで少女漫画の主人公みたいな体験じゃないですか。』

京子「屋上花火もまぁまぁだけどな？」

そんな京子さんの言葉に『確かに。』と笑いながら言うしかなかった。

確かに屋上花火も中々少女漫画みたいだった。

猛くん、ありがとう。

明美「...まぁ、ちょっと考えてるつもりっす。今井さん、いい人だし。」

京子「結果出たら教えろよ。」

明美「はい。」

でも、多分明美さんは乗り換えずに今の彼氏のままいくんだろうな。

と思いながら、1時間目の国語の教科書をペラペラとめくった。



そんなゆるくて呑気で楽しい日常が、今日で一変するなんて、誰が考えたのだろう。

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