恋の海に溺れろ２

自問自答 ページ22

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自由時間はあっという間に過ぎ去り、狛枝捕獲計画が決行される時間となった。

私は調達係で行く必要はないのだが、なんだか作戦が不安に感じてしまっている。

指揮官が左右田という事もあると思うのだが、なんだか別の不安がモヤッとする。


...狛枝がそんなに簡単に捕まるだろうか。


しかも最初ならまだ分かるが、2度目の作戦でホイホイと捕まるような男なのだろうか。

何かしら仕掛けているのではないか、と狛枝を疑ってしまうが、実際には証拠がない。

まず、狛枝は私には優しくしているのだから、根本的な所を突き止めれば疑う必要も無い。

最近は事件も起こってないし、出来ればこのまま時が過ぎて、普通に島から出たいのだ。

それをぶち壊す可能性があるのが、狛枝と、いるのかどうかも定かではない裏切り者。

あの中に裏切り者がいるとしたら、誰だって狛枝を疑うが、正直それでは普通すぎる。

私が何年間も生活している中で学んだ普通の事は、この島では普通ではない。


もう1人、怪しい人物が居た。

裏切り者、の正体。


...記憶が曖昧な、私ではないだろうか。


日向はもう予備学科の生徒だと分かっているのだが、私の情報は未だに明らかにならない。

いや、そもそもの話だ。

本当に私は"石原A"なのだろうか。

私の才能は一体なんなんだ。

消されている私の正体さえ分かれば、こんなモヤッとした気持ちも消え去るのだろうか。

だが、この島にいたら消え去る事も消え去らずに心の中に居座るのだろう。

そんな見たくもない現実を目の当たりにし、自分でも驚くような大きなため息をつく。


そんな時、だった。

耳が壊れそうなくらいの爆音、そして窓から見える建物が光る様子が、目に写った。


急な出来事すぎて頭が追いついていない。

事態を察することも出来ない。

ただ、私は思うがままに部屋を飛び出して、爆音が鳴り響いたロビーに向かった。

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