#48 ページ48
昼休み
明らかに高級そうな中華料理屋さんに入る。
目黒くんはあらかじめ予約していたようで、名前を告げると個室へと案内された。
2人でランチするのは別に初めての事じゃないのに、こんなにもかしこまったお店に来ると何だか妙に緊張してしまう。
「なんかここ…すごく高そうじゃない？」
目「まぁ、でも特別な日なんで」
「特別？」
目「俺がAさんを誘い出せた特別な日です」
「…それのどこが特別なの…」
目黒くんがまた調子の狂う事を言うので、最初の料理がこのタイミングで運ばれて来た時にはホッとした。
彼はコース料理とやらを頼んでいて、次々に運ばれてくる料理はどれも豪華で美味しくて。
1時間の昼休憩の間にこんな贅沢をしてしまうと…
「なんか後ろめたい気持ちになっちゃうね、笑」
そんな冗談を言いながら最後のフカヒレを頬張る。
目「…もっと後ろめたい気持ちにさせて良いっすか？」
「え？」
目「俺、Aさんが好きです」
突然の告白タイムに、思わず私は固まる。
目「彼氏がいても、それがしょっぴーでも…それでも好きです」
そんな私に追い討ちをかけるように、2度目の好きが降ってきた。
・
・
・
「ごちそうさまでした」
目「いえ」
少し気まずい雰囲気の中、お店を出る。
あの後、もちろん彼の告白に応える事はできなかった。
「ごめん。私、目黒くんの気持ちには応えられない」
目「知ってます」
初めから覚悟を決めていたようにキッパリとそう言い切った目黒くん。
そんな事は分かりきっていたけど、自分の気持ちはちゃんと伝えておきたかったのだと話してくれた。
だけどこの先も、仕事上ではパートナーとして働く私たち。
目「仕事はちゃんと割り切るので安心して下さい」
私の不安に気付いたように、そう宣言してくれた。
「…ありがとう。これからも一緒に頑張ろうね」
目「はい」
微笑む目黒くんに何だか救われて、私たちは気持ちを新たに次の現場へと向かった。
・
・
・
久しぶりに定時に仕事が終わり、ソファにドサッと身を投げ出す。
ここのところ残業続きだったので、こんな時間に家に帰れるだけで幸せを感じてしまう。
するとこのタイミングで、静かな部屋に翔太からの着信音が鳴り響いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
R(プロフ) - みかさん» 嬉しいですー！ありがとうございます🥺✨ (2022年8月31日 14時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みか - あっという間に読んじゃいました🤣 (2022年8月30日 19時) (レス) id: d2e789e792 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - まりもさん» そんなそんな😳💦でも嬉しいです。読んで頂きありがとうございました🥺✨ (2022年8月27日 5時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 話がちで神すぎません！？こんなに神作が作れるだなんて...尊敬してます！🤗 (2022年8月26日 10時) (レス) @page50 id: c571029d19 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - pupupupu8887さん» そんな風に言って頂けて私も幸せです🥺ありがとうございます！またお話が書けるよう頑張ります☺️ (2022年8月24日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：R
| 作成日時：2022年8月12日 17時
