miracle Love story （青）

＊ ページ49

「え…」





翔「来るの来ないの？」





その言葉に咄嗟に翔太くんの胸に飛び込んだ。





翔「んふふふ、笑」





「翔太くん…」





翔「はい」





「ごめんなさい」





翔「ん」





「私…早とちりしちゃった」





翔「…みたいだね、笑」





「掃除機なんて立てかけてあるから…」





翔「え、何？証拠隠滅でもしてると思ったの？」





コクッと頷く。




翔「いや、俺潔癖気味なの知ってんじゃん。普通にあいつリビングでドライヤーしたりお菓子食べてたから掃除してたの」





「グラスも二つ洗ってあったから…」





翔「そのまんま置いてあるの俺すげー嫌なの。綺麗好きだから」






翔太くんの性格を知っているつもりだし、

落ち着いてよく考えれば何てことないことだったのに、

あの時の自分は全て悪い方にしか考えられなかったから…






「もう…本当に頭が真っ白で…」






翔「…」






「私、翔太くんと、…もう…付き合えな…」






翔「ねぇ、違ったんだから変なこと言わないでくれる？」





そう食い気味に言って、ちょっとだけ睨みがちに私の涙をそっと拭う。




言葉と裏腹に行動は優しくて、





「翔太くん…大好き。…大好き…っ」




ギュウっとしがみつきながら溢れた思いをぶつけた。





翔「ちょ…、何それ、可愛いな」






ニヤニヤしてくれる翔太くんを見て、強く抱きしめ返してくれる温もりを感じられたら、

また好きが溢れた。





「妹さん…美人だね、さすが翔太くんの妹」





翔「そお？生意気だけどね」





そんな事言いながらも嬉しそうな翔太くんは、とても良いお兄ちゃんなんだろうなって思った。





「翔太くん、…疑ってごめんね」





翔「もう良いって」





翔太くんはチュッと短いキスをしてから、

翔「ねぇ、食べよ。腹減っちゃった」




と。何事もなかったように再び椅子に座る。






「ん、食べよっか」






モヤモヤが晴れた後のご飯は、自画自賛になるけど一段と美味しく感じた。






…気のせいかな、




翔太くんの「うまい！」と言う言葉も、

喜んだ笑顔も、




一段と弾んで、輝いて見えたのは。









Fin.








・・・・・・・


『翔太くんと妹さんが一緒にいるとこをたまたま見てしまって、誤解して翔太くんに少し冷たく当たってしまうお話』


というリクエストを頂き書いてみました。





しょったさん、リクエストありがとうございました🥺🙏✨





R.

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