miracle Love story （青）

＊ ページ38

Shota side



荷物を受け取って戻ってきたら、意外にもまだ通話中のA。





絶対すぐ切ってると思ったのに。






それどころか、




『え？いつ？…そうなんだぁ、いいなぁ』





とか、




『わぁ、さすが康二くん』




とか、




『ふふふ、お腹痛い…！』





とか言ってめっちゃ笑ってる。





いったい何の話をしてるんだ？





Aが目配せして‘’代わる？‘’と聞いてくる。





だけど俺は、





翔「俺はもう大丈夫、康二ばいばーい」




と、受話器の向こうの康二にも聞こえるよう一方的に話を終わらせた。




それから退屈凌ぎでYouTubeでも見ようとと動画を探すけれど、しっかりと耳はAと康二の会話に集中してるので何も入ってこない。





それからもまだ話し続け、やがて、





「いや、そこは譲れないかなぁ。…うん、私の方が…好き」






…は？







そんな謎の発言の後、‘’またね‘’とAは電話を切った。






なんかめっちゃ恥じらってんですけど。




　

なんか、俺、聞いちゃいけないこと聞いちゃった感じ？






いったい康二と何を話していたのか。






気にならない訳ないんだけど、自分から代わるように言ったし、YouTubeを観てたフリをしてたので「今のなに？」とは到底聞けない。





「なんかごめんね、思いの外たくさん話しちゃった」





やや頬を赤らめてAがスマホを俺に返す。





翔「んー、盛り上がってたね」





当たり障りない感じでそうコメントして探りを入れる。






「んー、ふふ、なんか…ね」





そう言って濁すA。





いや、何だし。





めっちゃ気になるっつーの。



・
・
・


Aside



突然翔太くんにスマホを渡され、康二くんとの通話を託される。



心の準備もままならないまま、スマホを耳に当てると、



康『もしもし？Aさん？』




『康二くん、久しぶり…です』




康『この前車からピカピカしたの分かった？』



それはクリスマスの日のこと。




『うん！翔太くんを送ってくれてありがとう』




康『なんやそれ〜、めっちゃ嫁さんみたいな言い方するやん』




『え、あ、ごめん…そんなつもりは…』




なんか出しゃばっちゃったみたいで恥ずかしい。




康『嘘やって！そんな落ち込まんといて！笑』





それからしばらくの間、康二くんは私を笑わせながら翔太くんと今までどんなとこに行ったとかなど、たくさん色んな話をしてくれた。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す