ここからはじまる

10.赤い恋人 ページ31

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「 ほらっ…宮田っ！はやくはやく！ 」


「 あ、じゃあ…え〜、アリーナツアー開幕ということで、成功と無怪我・無事故を祈って、今夜は 」


「「 かんぱーーい！ 」」


「 えっ？！…もぉ〜！あははっ 」









宮田の乾杯の音頭もそこそこに…

みんなでグラスを高く上げて乾杯をした。









というのも、今日は

メンバー全員と俺たちのツアーに

携わってくれているスタッフさんのごく一部の方

との間で開かれた打ち上げの日。









ツアー初日、つまり一公演を終えてみて、

そりゃあもう反省点は山ほどあるけど

まず、無事に開幕したことと

これからの景気付けに…というもの。









「 おじたん、どれ食うー？ 」


「 おまっ！誰がおじたんだよっ 」


「 いいじゃんいいじゃん、そんなことよりメニュー見てみっ？ちょーうまそうっ 」


「 わっ、まじだぁ… 」









ニカの勢いに押されてメニューを覗いたひろは

大きな目をキラキラ輝かせていた









あんなにはしゃいじゃって…もう超かわいい…









ひろが座るのは、長テーブルを挟んで向かい側の

斜め前。となりには宮田とニカ。









はじめは宮田とニカいいな〜なんて思ってたけど

向かい側のほうが表情が良く見えていいかも。









「 太輔は？何にする？ 」


「 え？あ、うーんと…これにしようかな 」


「 了解 」









一番最初に頼んでおいた乾杯用のビールを

ちびちび飲みながら、はしゃぐメンバーを眺める









このメンバーと組めて良かったな…






ライブなどを作り上げるのはとても大変で、

俺らだけの力で作り上げるなんて…到底無理。









けど、こいつらとだから「出来ない」なんて

言わない。言いたくない。









だってみんな最高のステージを

大好きなファンの子達に届けるために

いつだって、どんなことだって、

本気だから。









…メンバーのこと大好きだな、俺。









「 ガヤさん？考え事？ 」


「 うん、俺このグループで良かったなって 」


「 ふふっ、俺もだよ？ガヤさん大好きーっ！ 」


「 え？はははっ、俺のほうが好きかな 」









隣でニコニコと微笑む健永の肩を抱いて

好きだ、と言えば、嬉しそうに

勢いよく抱きついてきた。









ホント可愛いやつ…









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