02.このチョコレートは、きっと君に似合わない ページ3
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メンバー全員での撮影が終わり、
各自 荷物を持って楽屋を出ていく
いつも準備が早いわけではないけど
今日は一番準備が遅かった
「…っ、」
それは かばんの中に入っている あるモノが
俺の手を、思考を、止めたから。
「太輔、スイーツ作ったけど食べる？食べるんだったら明日持ってくるけど」
「食べる！持ってきて！ねぇわた何作ったの！？」
「…落ち着きなさい、明日まで内緒」
「えぇ…でもさ、バレンタインはわたがスイーツ作ってくれるから毎年楽しみ♡」
いつも通り、仲良く話す２人に背を向けて
コートを着ていると
やけに嬉しそうな藤ヶ谷の声が頭に響く
「おつかれ、また明日」
「おー、おつかれ〜」
スタジオを出て 車に乗り込み、
決してきれいではないかばんの中を覗くと
俺が悩みに悩んで買った
人気店のロゴ入りの箱に入ったチョコレートが
入れた時の状態のまま 入っている
…今日は バレンタインだ。
今日のために買った少しお高めのチョコは
誰に食べられるかもわからなくなってしまった
藤ヶ谷のために、
藤ヶ谷の好みから 今の流行りから
藤ヶ谷が今食べたいものから、何から何まで
一生懸命調べて買ったのに…
藤ヶ谷に渡していいのかが わからない
「いい歳して情けねー…」
いい歳した大人が 恋人にプレゼントするのを
躊躇っているなんて
そこらへんの中高生に笑われるな。
…いや、もう少し若ければ渡せたんだろう
俺も大人になってきたからこそ
気付いちゃったし感じちゃったのかもしれない
藤ヶ谷は きっと待ってくれているというのに
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茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます！読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします＾＾ (2017年2月15日 0時) (
レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、！更新大変だと思いますが頑張ってください！ (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉莉花
| 作成日時：2017年2月13日 0時
