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01.じんわり熱いもの ページ2

.








「んじゃ、おつかれ」


「おつかれ〜」







仕事終わり、メンバーに声をかけていると

帰りの支度をしている藤ヶ谷と目が合った。








「(あとでね)」



そう口パクをしながら微笑む藤ヶ谷に

俺も笑って頷いた









車に乗り込み、近くのコンビニで飲み物を買った。






そして、これから向かう先は

もうすっかり通い慣れた 藤ヶ谷の家。









「お邪魔しま〜す」


「お、おかえり」


「ははっ、ただいま」









一緒に住んでいるわけではないけど

仕事終わりの俺には必ず「おかえり」と

言ってくれる藤ヶ谷。







今日も腕を広げて言ってくれた。




それに対し、ただいま と返して

目の前の腕の中に飛び込むと ふわっと香る

藤ヶ谷の甘い匂い。






…安心する









「北山?お疲れさま。封筒渡された日から6年間ずっと一生懸命頑張ってるの俺知ってるよ」


「ん…」


「付き合う前、素直になれなくて 突っぱねて 本当ごめんね。それでも変わらず俺を優しく見守ってくれてありがとう」









優しく語られる思いは、きっと6年間

藤ヶ谷が胸にしまい込んでいたであろうもので

次から次に紡がれるそれを聞く度

朝の熱いものが蘇ってきて 目の奥が熱くなる。








「俺、北山に出会えて 同じグループでこうしてやってこれて 本当に良かったよ」


「…おれも…っ、」


「ははっ、もー泣かないでよー」









ずっと抱きしめられてたけど

泣かないでよ、という声とともに体は離され、

涙で歪んでしまって、よくは見えないけど

目の前には優しく笑う藤ヶ谷の顔があった。









「これからも一緒に頑張っていこう」







藤ヶ谷の優しくて力強い言葉と

俺の涙を拭う温かい親指に、

胸がいっぱいになる。







絶対に こいつと、6人と、でかくなる




デビュー前、いつか そう決めたっけな。

…今もその思いは変わらない






7人で、でかくなるんだ








「…っ、置いてくなよ…?」


「ふふ、当たり前でしょ」









〇 2月12日:茶封筒の日 〇

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茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます!読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします^^ (2017年2月15日 0時) (レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、!更新大変だと思いますが頑張ってください! (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉莉花 | 作成日時:2017年2月13日 0時

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