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05.白に包まれて ページ16

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「お疲れ様でした〜」









長時間にわたる撮影が

今やっと終わった。









今回は踊らなかったけど

なんせ寒かったから







それなりに体力は

消耗しているようで







控え室に戻った瞬間

体が重くなった気がした。









「北山おつかれ」


「あ、おつかれ」


「まだここ見てても大丈夫みたいだから

ちょっと付き合ってくれない?」


「ん、わかった」








…きっと重いのは

体より気持ちだ。









だって、いつもだったら

嬉しいはずの






藤ヶ谷からのお誘いが

苦しく感じるんだから。









「本当綺麗でおしゃれだよね、ここ」


「そうだな」


「…北山さっきの話、まだ続きあるでしょ

あれ聞かせてよ、ね?」


「ん…」








きっと俺が何を言いたいか

何を思ってるか






なんてこいつには

バレてるんだ。









「藤ヶ谷さ、本当にすっげー…似合ってるよ」


「うん、3回目ね」


「だから、将来本当の結婚式で着るべきだって

今日撮影してて思ったわけ。」









本当に。



あんなにタキシード似合う人

はじめて見たもん








「それは、俺に結婚しろって言ってるよね?」


「幸せになれる人が見つかったらな。」


「バーカ、バーッカ!…うわやっぱ響くねここ」


「…こんな響くとこでバカとか言うなよ」









バーカ。



何度もそう言う太輔の顔は

怒ってた。









「だってバカじゃん。

ひろは俺じゃダメなの?女の子がいいの?」


「…ここ仕事場、」


「うるさい、俺の質問に答えて」


「…ダメじゃないし、女の子がいいわけじゃない」


「俺もそうだよ、俺はひろがいいの。

お願い、わかって…」









わかってるよ、痛いほど。



だから困ってるんだよ…









「ひろ」


「…ふじがや離せっ…!」








どこで誰に見られてるかわからない

仕事場にも関わらず、






抱きしめてきた太輔に

つい声を荒らげてしまった。









「離さない。いい加減わがままになってよ、

太輔は俺のだって言ってよ。」


「ふじが…っ、」


「じゃないと、離さない」


「…たいすけ…っ、」









こんな太輔はじめてだ…









抱きしめる力は

今までで一番強くて苦しいし、




言葉はいつもより少し強引で

声は怒ってるし。









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茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます!読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします^^ (2017年2月15日 0時) (レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、!更新大変だと思いますが頑張ってください! (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉莉花 | 作成日時:2017年2月13日 0時

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