01.じんわり熱いもの ページ1
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首元にすうっと冷たい風を感じ、
それからすっかり冷えてしまった身体は
無理矢理でも もう心地よい眠りにはつけない
「…まだ目覚まし鳴ってねぇじゃん…」
少し損した気分になりながら、
ベッドのすぐそばに置かれた時計に目をやると
予定起床時刻の２０分も前で
この季節の冷たい風をほんの少し恨んだ。
「…っあ、」
時計に、時刻とともに示された日付に
ドキッとした。
２月１２日…
なんだよ… あれからもう６年も経つのか
６年前の今日、コンサートの真っ最中に
後輩から 茶色い封筒を受け取ったあの日から。
ただひたすら突っ走ってたから
あの日から６年なんて感じしなかった
「…っ、」
もうそんなに経つんだ、なんて思ったら
不意にあいつらの声が聞きたくなった
この時間に６人いっぺんなんてのはさすがに…、
なんて 自分自身で冷静に突っ込みながら
アドレス帳の画面を開く
誰か１人でも…
時間に余裕がありそうなやつ…
そう思いながら画面をスクロールしていたら
無意識にタップした名前があった
それは、
『もしもし、どうしたの？こんな時間に』
「ん？あーっと…」
『ははっ、だいたいはわかってるよ』
「なら聞くなよ…」
『ごめんって。もう起きてたんだね、北山』
俺の相棒で、恋人の、藤ヶ谷。
『もう６年も経つんだね… あっという間っちゃあっという間だったし、長かったっちゃ長かったなぁ』
「…そうだな」
『…っあ、そうだ。北山？』
「ん？」
『今日 俺ん家来ない？』
どこか控えめな声からして
きっとこいつも俺と同じ気持ちなのだろう
「いく」
だとしたら、断る理由なんてなくて
すぐさま返事をした
『じゃあ、また。気をつけてね』
「おう、お前もな」
電話したら気持ちも落ち着くだろうと思ったけど
１番電話しちゃいけないやつにしちゃったな…
余計に感情的になってきた
けれど、そんな気持ちに付き合っている暇もなく
俺は 急いで仕事の準備をはじめた
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茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます！読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします＾＾ (2017年2月15日 0時) (
レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、！更新大変だと思いますが頑張ってください！ (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉莉花
| 作成日時：2017年2月13日 0時
