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02.このチョコレートは、きっと君に似合わない ページ6

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仕事から帰ってきて、家でテレビを見ていると

突然鳴ったインターフォン。









「…こんな時間に?」







時刻は午後8時。

こんな中途半端な時間に…誰だろう






今日届く予定のものはないし、

俺の家を知っている人なんて限られるから

知り合いか?







なんて考えながら モニターを操作した。


そこに映ったのは、








「えっ、…北山?」








わずかな照明しかないから よくは見えないけど

それでも、男にしては小柄な感じが

北山っぽかった。









『あ…うん、俺』


「待って、すぐ開ける」









「お待たせ、どうぞ入って?」


「ん、」







ごめんな、お邪魔します。と言いながら

靴を脱いだ北山は廊下を進もうとはせず、

ただ立ち止まったまま、俯いていた。









「北山?どうしたの?」


「…っ、」


「…きたやまっ?」









俺の呼びかけに、北山はくるっと俺の方を向き

ガバッと抱きついてきた。









こんなの珍しいから

俺も少し慌ててしまう









「き、きたやま?何かあった?」


「…おれ、不安で…っ」


「不安…?」


「……結婚式場でMV撮った時からっ、ずっと不安で…っ……、今だってふじがやに抱きついて困らせたりしてさぁ…っ…情けねぇよな…」


「っ、そっかぁ…気付けなくてごめん。情けなくなんてないよ」









北山、ずっと不安だったんだ…

だからここ最近いつもと違ったのか





北山の行動も、ここ最近の違和感も、

今やっとわかった気がした









「ごめっ…」


「もう、泣かないでよ〜…たぶん俺、北山の思ってる事だいたいわかるよ。

けど、北山の口から今の気持ち聞かせて欲しいな」


「ん…」









廊下じゃ冷えちゃうからと

北山をリビングに連れていき、ソファに座らせ

俺も並んで座った。








「おれ…さ、お前に幸せになってほしいの、」


「うん」


「この前撮影の時、思ったんだよ…藤ヶ谷は俺といたら幸せになれないかもしれないって。

藤ヶ谷 子供好きなのに俺とじゃ子供出来ないし、ましてや…結婚すらできないから」







涙も止まり、落ち着いた北山が

ぽつりぽつりと語ってくれた

北山の本当の思い。






それはどれも俺の事を想ってくれているからこその

思いで、胸がいっぱいになる









「……だってふじがや、超似合ってたから…」







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茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます!読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします^^ (2017年2月15日 0時) (レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、!更新大変だと思いますが頑張ってください! (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉莉花 | 作成日時:2017年2月13日 0時

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