性別の壁なんてぶっ壊せ

デート、始動 ページ16

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『織田作、今何時？』

「9時半だ」

『よっしゃ、行ってくる』

「頑張れよ」



マフィアのビルを後にし、手を振る織田作に笑いかけ乍、スキップでもするかの勢いで約束の場所へと向かった






『…此所かな？』

パッと見ただけでもお洒落な雰囲気が滲み出ている例のbar


入口の前でひょこひょこしていると、背後から心地のいい声が降ってきた



「やぁ、A。丁度いいタイミングだね」

『あ。こんばんは…』


ふっと微笑んだ太宰幹部に何時も以上にドキドキした

"脈アリかも"なんて期待している気持ちも相まって、私のモチベーションをぐんと上げていた



「取り敢えず、入ろうか」

『は、はい』


──私の中では初デートということでいいんですよね？






『っ…！ひゃひふぉれ、ふぉいひい…』

「ふふ、本当Aは面白いね。飲み込んでから話しなよ」


こんなに幸せでいいんでしょうか…──？



この落ち着く声も、優しい目線も、今日は私だけ独り占めできると思うととてつもなく嬉しかった


生まれて初めてと言っても過言ではないぐらい美味しいステーキを頬張りながら、顔を綻ばせた



『太宰幹部。其れで、聞きたいことというのは？』

もぐもぐと口を動かしながら、問う。相も変わらず優しい太宰幹部は途端に真面目な顔付きになった



「Aって、兄弟とかいたりする？」

『兄弟ですか？いませんよ？』


結婚するから家族構成を知っておきたいのか。成程、成程

って、自惚れすぎだわ




「だよねぇ…。昨日、君に似たすごく綺麗な女性にあったのだよ」





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