“池袋”と“新宿”を敵に回した者は最凶最悪の儚い少女でした。

STORYNo.20 ページ20

〜折原side〜

『…ただいまです』
折原「あれ？案外早い」

今は16時。

…早い。早すぎだよ？

『…疲れたので』
折原「ふーん。意外…」

凶華は買い物袋を置き此方へ来た。

全く外に出してあげなかったせいか結構げっそりしてる…。

『っ…情報屋』
折原「なに？」

凶華が俺の名を呼び

『…き、き、き、……すしろ』

と言ってきた。

キスしろ？

また、意外な事だ。

折原「ちょ…どうしたの？君らしくない」
『頼む……少しで良いから』

凶華は泣いていた。

こんな状況で断れるわけ無い。

ーちゅっ…

少しだけ。少しだけのキス。

顔を離すと凶華は更に泣いた。

まるで雨の様に…。

『っ…うぅ…俺っ、は、“化け物”だ…』

凶華がそう言った。そして続ける。

『愛されるわ、け無い』

だから…キスを？

『なん、で…“人間”じゃないんだよ……！！』

凶華は泣き崩れた。

随分と“人間”だよ。君は。

君は確かに“化け物”かもだけど、それは違うんだ。

君は“人間”が“化け物”のフリをしてるだけ。

本心は人間だよ。

折原「ごめん…」
『っ？なん、で？情報屋謝る必要な、い。』

ごめん。
今まで君を見て笑って、変な情報流して面白がって…ごめん。

俺はAに再度キスを落とす。

先程とは違い優しく…

『情報屋っ…俺は“人間”には、なれなっ…』
折原「そうだね」

あえて冷たく言うよ。

君が、君を“人間”として愛する俺の近くから離れぬように

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