“池袋”と“新宿”を敵に回した者は最凶最悪の儚い少女でした。

STORYNo.19 ページ19

〜幽side〜

幽「“姐さん心配しないで俺は生きてる”…兄貴がAから伝言を受けたって」

そう言うと目の前の同僚。聖辺ルリは椅子を倒し立ち上がった。

ルリ「Aが…？」
幽「本人からの伝言。昨日兄貴が教えてくれた」
ルリ「…よかった……」

ルリさんは微かに微笑んだ。

なんで帰って来ない？
そう思うと胸が張り裂けそうだ。

兄貴…なんでAを捕まえてくれなかったのさ。

兄貴にとっては消したい人物でも、自分の中では大切な人なんだ…。

ルリ「あの子…無事なんですね。貴方のお兄さんに会ったってことは」
幽「…みたい。」


早く帰って来て

また話そう。

また出かけよう。

また笑おう。

…今、君は何処にいる？

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〜貴女side〜
ゆーに伝わったかな？

姐さん…すみません。

暫く帰れません。

俺は帰る事にした。

近くのスーパーで一週間分の食材を買って…


“人間”が羨ましい。

近くのカップルを見て思った。

愛して愛されて…いいな。

…いいなぁ。

帰ろう。


情報屋のとこへ帰ろう。


俺が…

“化け物”である限りアイツの元では愛されるのだ。

例えそれが。【偽りの愛】でも。

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