episode94 ページ4
2018年1月10日
俺は現在に戻ってきて直人から聞いた今の状況に絶句した。
ヒナは勿論、東卍の主要メンバーは全員死亡。
それに東卍のみんなを殺したのはマイキー君らしい。
マイキー君からの手紙を頼りに現在のマイキー君に会いに行ったが、そこに居たマイキー君は過去の姿とは別人だった。
闇堕ちして細くこけたマイキー君の姿。
過去ではあんなにかっこよくて漢気があるのに、今ではそんな雰囲気すら面影が無い。
ただ、目の中の瞳はあの頃と同じままのように見えて
花垣「マイキー君‼︎あの…元気でしたか…?︎」
佐野「…うん」
花垣「あの…すいません…グスン」
俺は話そうとすればするほど涙が溢れてきた。
佐野「フッ…泣き虫は相変わらずか?」
花垣「…」
佐野「ここにわざわざ呼んだのは頼みがあってね」
花垣「頼み?」
会った時から変わらないままの少し微笑んだ顔で話を切り出したマイキー君。
佐野「ここに来て兄貴の事思い出したらさ色んな思い出が溢れてきて、ガキの頃は色んな奴らと殴り合って、わかり合って、笑い合って、泣いたりして…。そうやって東卍は大きくなっていったんだなぁって…懐かしくなっちゃった」
花垣「マイキー君」
やっぱりマイキー君はマイキー君だ‼︎
東卍のみんなを殺してるわけない…
佐野「東卍は変わっちまった」
花垣「えっ?」
佐野「タケミっち…なんで東卍を出てったんだよ?一緒にいて欲しかった…。兄貴のように叱って欲しかった。」
花垣「えっ…」
佐野「何とか頑張ったんだ。でも俺が俺でなくなる事を抑えられなかった」
花垣「マイキー君…それどういう…」
佐野「俺はあいつらを殺した」
花垣「えっ⁉︎」
俺はパニック状態だった。
マイキー君の言ってる話の整理が追いつかない。
頭の中は?だらけで、ただ悲しい話だけが頭の中に残り涙となって溢れてきた。
佐野「タケミっちあの頃の東卍はもういない。アイツらはみんな…みんな…俺が殺した。だから頼む。お前が終わらせてくれ」
ガチャ…
そう言ってマイキー君が俺に投げてきたのは拳銃だった。
佐野「俺を殺せ」
そう言うマイキー君の目は悲しげな瞳をしていた。
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作者名:AI | 作成日時:2023年5月6日 18時