episode120 ページ30
少し離れたところからマイキー君達の様子を眺めている俺達。
エマ「これから喧嘩するんでしょう?」
そう言葉を発したのはエマちゃんだった。
花垣「多分」
A「いつから喧嘩ばっかりになっちゃったのかな?」
花垣「?」
A「東京卍會総長 無敵のマイキー。マイキーは人前で強い所しか見せない。真一郎君が死んだ時も、圭ちゃんが死んだ時も。どんな時でも弱い顔を見せないのがマイキーなの。誰にも…」
エマ「うん、そうだね」
A「でも本当の本当は今でも使い古したタオルケット握りしめてないと眠れない弱い男の子。武道君やエマ、私達と一緒。だからどこかで張り詰めていた糸が切れちゃった時、その時は絶対私がマイキーを助けたいんだ‼︎」
花垣「Aちゃん…」
エマ「ふふ、私も同じこと考えてた。マイキーがいつもそうしてくれたみたいにね‼︎」
A「なーんてカッコつけすぎかな?私達」
エマ「えっいいじゃんいいじゃん!!」
そんな2人のやり取りを見て俺はふとある事が頭によぎった。
あれ?
エマちゃんって現代にいたっけ…?
俺のその表情を見ていたのはAちゃんで
A「武道君…もしかして…」
と、Aちゃんの目線は一瞬エマちゃんを指した。
俺はAちゃんが言いたい事がエマちゃんの事なのかという事しか分からず、うんと頷きその場で固まっていると
ブォォォォォーーン‼︎
後方からもの凄い勢いでこちらに走ってくる2人乗りのバイク。
俺達はバイクを見つめながら警戒していると
…「ウォォォォォ‼︎」
花垣「稀咲?」
雄叫びの主は稀咲だった。
バイクの後ろに乗っている稀咲は、片手で持っていたバットを大きく振り上げ走って来る。
A「武道君‼︎頭を下げて‼︎」
咄嗟に聞こえたその声に俺は従いながらAちゃんを見ると、
A「エマはこっちに‼︎」
と自分の背後にエマちゃんを隠すAちゃん。
間一髪稀咲の攻撃から逃れた俺達だったが、乗ってたバイクから降りて来た稀咲と半間は俺達の方に向かって来た。
そしてエマちゃんの盾として立っているAちゃんを大きく蹴り飛ばす半間に対し、その後すぐにエマちゃんをバットで殴る稀咲。
花垣「Aちゃん‼︎エマちゃん‼︎」
そう呼んでかろうじて反応したのはAちゃんだけで、エマちゃんはそのままピクリとも動かなかった。
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作者名:AI | 作成日時:2023年5月6日 18時