言霊使いは最強

二十七話 ページ28

「三成、何を暴れている」



男の吹っ飛んだ曲がり角から別の声がすると、輿に乗った包帯男が現れた
え、何あれ浮いてるんですけど...
空飛ぶ絨毯ならぬ空飛ぶ輿か！？



「秀吉様を裏切った者だ。私が斬首する！！」

「うわぉっ！！？」



曲がり角まで割と離れているのに目の前まで刀が迫っていた
トンファーで受け止めれば、別の何かが僕を襲う
慌てて避ければ、それは数珠だった
８つの数珠は対象物に当たらないと輿に乗った男の周りに戻った
婆娑羅の力って凄いね！！(ヤケクソ)


........うん、逃げるか



「あれはっ！」



男たちの後ろを指差すと素直に振り返ってくれたので、来た道を全力で駆ける
とりあえず戦闘は避けよう
向こうがいきなり殺しにかかって来たのならそれなりにやり返すけど、今回は不法侵入した僕に非がある



上に登る階段を見つけたので、登っておく
うろちょろと外に続く道を探すが一向に見つからない
この城広すぎる
窓すら見当たらないんだけど



「三成、こっちにおったぞ」

「裏切り者ォォォォォ！！」



後ろから空飛ぶ輿にV字髪の男が現れた
何やら不穏なオーラを纏って此方に突進して来たので、急いで角を曲がり目に入った部屋に飛び込む
一度身を隠してから脱出を再開した方がいいだろう









だけど、そう良いようには事は進まない

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