妖怪も人間も

参話 ページ5

村から1人デカい男の人を襲ってきた

筋肉質なのか、ものすごく重かった

山の途中にあるお堂

そこが家や

人もいなく、山にも人は入らないから持ってこいの場所やった

今日は新月でいつもより暗い

蝋燭に火を灯す

『いただきます』

誰かに聞いたことがある

何かを食べる時は食べ物に感謝しなければならんと

自分に食べられる命に感謝する言葉が“いただきます”らしい

誰に教えられたんやっけ？

もう、覚えとらんな

「んな〜」

『今日も来たんやな。今日は猫の姿なんやな』

隠「猫、好きやろ？」

『あぁ好きやよ？お前はどうやろうな』

隠「そこは俺のことも好き♡って言ってや〜」

こいつは隠岐孝二

同い年でこうして冗談を言い合えるぐらい仲がいい

山の中で血を流しているのを見かけて助けたのがきっかけ

こうしてよく遊びに来ては食いもんをもらってまたどこかに行ってしまう

『ん、誰か来よったな』

隠「んじゃ、これでお暇するわ」

『おい、逃げんなや』

言い終わる前にもうどこかに行ってしまった

「誰かおります？」

男か

気配はなたでは無い

妖怪か

どうせ血の匂いに誘われて来たってとこやろうな

痺れを切らしたのか、どたどたと足音を立てて障子を勢いよく開けて来た

ｶﾞｺﾝｯ

暗くてよぅ見えんな

『あ？誰やお前』

顔は見えんけど、かなり背は高い

そして息が荒い

腹が減ってんのか？

『何や？旅人か？随分と食いもんに飢えてるみたいやな』

少し揶揄ったが、何も言わない

そのぐらい腹が減ってるのか？

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