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参拾話 ページ33

しーんと静まる

血の匂いが鼻腔を刺す

もう誰も来ないな

『みんな無事か?』

みんなは信じられないという顔をしていた

生「ほ、ホンマにAちゃん?」

『うん、Aやよ』

水「幻やないよな?」

『幻なんかやないで』

隠「死んどらんよな?」

『ちゃんと生きてるで』

細「心配した」

『ごめん?』

南「もういなくなったりしませんよね?」

『……ごめんな』

もう生きていけないんだ

首を斬られたから

今は残った妖術で生き延びてるだけ

妖力が尽きれば(一人称)は死ぬ

もう死に場所は決めてる

『みんな愛してるよ!』

生「待ってや!」

水「まだ言っとらんことが沢山あるんや!」

隠「置いてかんといてや!」

細「行かんといて!」

南「まだ一緒にいたいよ!」

みんなの手は届かない

生「また一緒に鍛錬しようや!」

隠「一緒にまたどこかに出かけようや!まだ行っとらんとこ沢山あるやん!」

水「偉い神さんと俺らのために契約したんやろ!最後まで面倒見ろや!」

南「そうですよ!」

細「まだ行ってない甘味処あるやん!行くって約束したやん!」

『みんな…』

涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔で言ってきた

生「好きやった!会ってからずっと!」

隠「山で拾って助けてくれたあの時から!」

水「怖がりのくせに偉い神さんとこ行って契約してくれた時よりずっと前から!」

南「寒い海から悴んだ手で助けてくれた時から!」

細「寒いのに自分の羽織を羽織らせてくれた手の温かさも全部!全部…」

『馬鹿やなぁ、これじゃあ行けないやん…』

鬼だから涙なんて無いはずなのに

頬を次々を濡らしていく

『(一人称)も好きや、大好きや!これからもずっと愛してる!!』

そういって(一人称)は消えた

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はる - 完結おめでとうございます!本当に大好きな作品です、ずっと応援してます! (2022年5月8日 21時) (レス) @page43 id: 6c1b388691 (このIDを非表示/違反報告)
海百合クラゲ(プロフ) - 灘奴やんさん» 僕はコメントもらえたことが嬉しくって泣きました!新作の方もよろしくお願いします! (2022年5月8日 20時) (レス) id: a38a157b30 (このIDを非表示/違反報告)
灘奴やん - 最高でした。泣けました。新作も、読みたいと、思います。マジで、本当に、最高でした! (2022年5月8日 20時) (レス) @page42 id: 147355c0fa (このIDを非表示/違反報告)
海百合クラゲ(プロフ) - ゼロラクさん» わぁぁありがとうございます!! (2022年5月8日 13時) (レス) @page41 id: a38a157b30 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロラク - 最後凄く感動しました (2022年5月7日 20時) (レス) @page42 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海百合クラゲ | 作成日時:2022年4月9日 18時

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