妖怪も人間も

弐拾捌話 ページ31

『へぇ、ならお前らが食っとる魚や肉はどうなんや？魚も肉もお前ら人間のように生きとったし意思もある。それをお前らは生きていくために殺し、食う。妖怪が人間を食うのとさほど変わりはない』

そう言うと陰陽師は顔を顰める

『妖怪は人間の鏡や！人間だけが全ての世の中やないんや！甘えんな！！』

陰陽師「えぇい！うるさいぞ！人間の害になる悪妖は消し去る！それだけじゃ！！」

そう叫んで陰陽師は刀を抜いた

妖怪を殺す特別な刀を

「なぁ陰陽師様、この人間の娘を殺したら悪妖共はどんな顔をするんですかねぇ？」

『は？』

乱暴にマリオちゃんの髪を掴み持ち上げる

細「や、やめてぇや！」

生「マリオちゃんを離せや！」

乱暴に扱われるマリオちゃんを見てみんな牙を剥く

絵巻に書いてある妖怪そのものの顔をしていた

「おー怖い怖い。それがお前らの本性やろ？ほら、人間が食いたいんやろ？この娘はお前らの非常食なんやろ？」

下品に笑う

陰陽師「ふむ、そこの娘、悪妖とはどういう関係なんや？」

細「た、助けてくれたんや！村のみんなから追い出されて、死にそうになっとったところを助けてもらった命の恩人や！！」

『マリオちゃん…』

陰陽師は顎に手を当てて考える素振りを見せた

陰陽師「可哀想になぁ。この娘、悪妖に心を取り憑かれておる。もう助けられない。殺してしまおう」

そう言ってマリオちゃんに刀を振るう

みんながマリオちゃんを守るように抱きしめる

（一人称）は走って追いつくだろうか

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