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弐話 ページ4

生駒サイド

あぁ、腹が減った

ここ5日、何も食べとらん

人間も、他の食いもんも

水も口にしとらん

死にそうや

もう、ここで死んでしまおうか

なら、景色の綺麗な場所がええな

今は夜や、星が綺麗に見えるとこがええな

最後の力を振り絞って一歩、また一歩と進む

ふと、血の香りがした

人間の血や!

食いもんや!

走って匂いのする方に行く

だんだん匂いが強くなる

最も血の香りがする場所は、古ぼけたお堂だった

ビリビリに破けた障子に腐って掛けた木の柱

微かに火の光が見えた

生「誰かおります?」

勝手に開けるのは失礼かと思い、声をかける

返事は無い

あぁ、早く食べたい

我慢出来ひん

どかどかと足音を立てて障子を勢いよく開ける

ガコンッ

『あ?誰やお前』

中には人の腕を齧る小さな少女がおった

背中には大きな瓢箪が

ほのかな火の光に照らされていた

ものすごい別嬪さんやった

『何や?旅人か?随分と食いもんに飢えてるみたいやな』

揶揄われているようだ

でも、それよりも食いもんの顔しか頭に無くって気にしてなんかいなかった

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はる - 完結おめでとうございます!本当に大好きな作品です、ずっと応援してます! (2022年5月8日 21時) (レス) @page43 id: 6c1b388691 (このIDを非表示/違反報告)
海百合クラゲ(プロフ) - 灘奴やんさん» 僕はコメントもらえたことが嬉しくって泣きました!新作の方もよろしくお願いします! (2022年5月8日 20時) (レス) id: a38a157b30 (このIDを非表示/違反報告)
灘奴やん - 最高でした。泣けました。新作も、読みたいと、思います。マジで、本当に、最高でした! (2022年5月8日 20時) (レス) @page42 id: 147355c0fa (このIDを非表示/違反報告)
海百合クラゲ(プロフ) - ゼロラクさん» わぁぁありがとうございます!! (2022年5月8日 13時) (レス) @page41 id: a38a157b30 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロラク - 最後凄く感動しました (2022年5月7日 20時) (レス) @page42 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海百合クラゲ | 作成日時:2022年4月9日 18時

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