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拾話 ページ12

『じゃあ、出発するで。孝二は大丈夫やと思うけど、イコさんはちゃんと着いてへんとアカンよ?結構ここから遠いとこに行くからな』

生「そんな遠いん?」

『この山から海まで行くんやで?迷子にならんようにな。朝ごはんは山の途中で食うから覚えといてな』

持たせた弁当を指差して言う

早弁されたらたまったもんやない

ザクザクと落ち葉を踏んで歩く

紅葉も終わりかける頃

桜などの木の葉は全て落とされている

そろっと霧が濃くなりそうやな

隠「なぁ〜疲れた」

『まだそんな歩いてないやろ。川まで我慢せぇ』

生「川?」

『せや、川に1人、海に1人おるんや。毎年そこまで行って迎えに行くんやで?』

生「辛くないん?」

『…辛くなんかないで?みんなに会えるならこんなのどうってことない』

生「仲、ええんやな」

『口喧嘩はよくするけどな』

懐かしいな

また歩くと水の流れる音が聞こえる

近づくと綺麗な川があった

透明で汚れていない水が流れている

川魚が流れに逆らって泳いでいるのが見える

『ここや。敏志〜迎えに来たで〜』

すると、川の水がボコボコと膨れ上がり、やがて人の様な形になった

水「おっそいわ。風邪ひくところやったんやけど」

『知らんわ。迎えに来てやっただけありがたく思えや』

水「てか、俺の方が年上なんやけど」

『ほぅ、じゃあ川が汚かった時助けてやったのは?』

水「Aや」

『土砂崩れで川が流れなくなった時に助けたのは?』

水「…A」

『分かった?』

水「参りました」

生「何やこれ」

隠「毎年のことなんで気にせんといてください」

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はる - 完結おめでとうございます!本当に大好きな作品です、ずっと応援してます! (2022年5月8日 21時) (レス) @page43 id: 6c1b388691 (このIDを非表示/違反報告)
海百合クラゲ(プロフ) - 灘奴やんさん» 僕はコメントもらえたことが嬉しくって泣きました!新作の方もよろしくお願いします! (2022年5月8日 20時) (レス) id: a38a157b30 (このIDを非表示/違反報告)
灘奴やん - 最高でした。泣けました。新作も、読みたいと、思います。マジで、本当に、最高でした! (2022年5月8日 20時) (レス) @page42 id: 147355c0fa (このIDを非表示/違反報告)
海百合クラゲ(プロフ) - ゼロラクさん» わぁぁありがとうございます!! (2022年5月8日 13時) (レス) @page41 id: a38a157b30 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロラク - 最後凄く感動しました (2022年5月7日 20時) (レス) @page42 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海百合クラゲ | 作成日時:2022年4月9日 18時

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