妖怪も人間も

玖話 ページ11

早朝

日が登る前に起きた

2人は今もぐっすり寝ている

そっと寝床から離れて出発の準備をする

弁当を5つ作る

アイツらはよく食べるから大きな弁当箱に入れる

1年ぶりだからアイツらの好きなものをたくさん入れてあげるか

春巻き、明石焼き、ピーマンの肉詰め

『…栄養偏ってへん？』

野菜がほとんど入ってない

これでは体に悪い

この前採ってきた野菜を詰める

うん、茶色だけではなくなった

野菜食べたくないとか駄々をこねるんだろうな

ほわほわしなからそんなことを考える

ハッ

これが母性！←

ぶんぶんと首を振って邪魔な考えを飛ばす

外から日の光がさす

『もうこんな時間か』

寝床に行き2人を起こす

『起きろ、出発の時間や』

隠「ん〜、まだ〜」

『お前の“まだ”は聞き飽きたねん。早よ起きろ』

ベシッと孝二の背中を叩く

隠「いてっ」

『顔洗って来ぃ。（一人称）はイコさん起こさなあかんねん』

隠「は〜い…」

目を擦りながら洗面所に向かった

寝起きはいつになったって子供っぽくて変わらん

『イコさん、朝や起きぃ？』

生「ん"〜」

低く唸って上半身を起こす

『出発するで。早よ準備しぃや』

よいしょと立ち上がると

生「ん！」

と、腕を伸ばしてきた

多分、「起こせ」と言っとるんやろうな

『はいはい、後で顔洗って来ぃや？』

腕を引っ張って起こしてあげる

大人しくとぼとぼと歩いて洗面所にむかってくれた

デッカい子供2人を世話しとる気がすんな

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