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「えっ、辞める！？私が許すまで･･･？」
『･･･』
何の話なんだろう･･･
「や、ちょっと、いいって！好きにしなよ！･･･って、あ、そゆ意味じゃなくて･･･おかあ、さん、が本気でそうしたいなら、その･･･勝手にすればいいことだし･･･」
･･･ああ、前に言ってた再婚の話か。
「なら･･･今度、さ･･･会って･･･ちゃんと話す？･･････。やだ、ちょっと、泣かないでよ！今度はこっちからも電話するから」
･･･話が終わったらしい。ゆかりは電話を切って、一息ついた。
「お母さんからだった。今までの事･･･許して欲しいって。私が許さないんだったら･･･再婚辞めるって」
『そっか』
ゆかりの体が少し震えていたのでベンチに促して座らせた。座ることで落ち着いたのか、ゆかりはゆっくり話し出す。
「今度、会う約束しちゃった。なんか、緊張するな･･･」
『･･･お母さんのこと、許せるかな』
「さあ･･･どうだろ。って言うか、本当はこれ･･･私が一方的に許すとかって話じゃないしね」
ゆかりは気丈に笑っている。
「10年近く冷え切ってたんだもん。正直、そんな簡単じゃないよ。会えば、また酷いこと言っちゃうかも。でもね･･･それでも、話してみようと思ったんだ」
『うん』
「逃げてちゃ変わらないのは･･･私も同じだし。それにね、お母さん･･･今でもお父さんのこと、大切に思ってると思うんだ。ただ、耐えられなかったんだよ･･･大事な人を亡くしたこと･･･」
『うん』
愛しい人をなくすってことは、それまで築き合ってきたものも無くなっていくということ。
「だから、誰かに縋りたいって･･･愛した人がいなくなって、ひとりって･･･すごくすごく、しんどい事だと思うから･･･上手く言えないけど･･･私ね、奏弥といて、そう思ったの」
『ゆかり･･･』
ゆかりはそれまで遠くを見ていた目を私に向けた。真っ直ぐで何かを気づけた瞳だった。
「もう大事な人を失うのは、怖いから･･･私は大事な人を作らないようにしてたんだね･･･お母さんは、その怖さを忘れたかっただけ。弱い人だけど、軽蔑なんてしないよ･･･お母さんと私は一緒だもん･･･」
ゆかりは自分を見つめ、一歩踏み出せたようだ。
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嫌われ者(プロフ) - ルナさん» こっちの方にもコメントありがとうございます(*^^*)次の更新をお楽しみくださいね (2021年12月27日 8時) (
レス) @page32 id: f438d46a26 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 今回のイラスト、とても幻想的で綺麗でした。ラストが近づいて来ていて、これからの展開がすごく楽しみです。頑張ってくださいq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2021年12月27日 3時) (レス) @page32 id: 5abf626923 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嫌われ者 | 作成日時：2021年11月28日 15時
