007 ページ10
──4月10日・金──
目が覚めると白い天井が見えた。・・・外は明るい。
『ここは・・・』
「起きたようだな。ここは辰巳記念病院だ」
『！』
えっと・・・この人は───
『桐条先輩・・・？』
「ああ、体調はどうだ？」
『あ、はい。大丈夫です・・・』
太ももになにか巻かれているような感じがする以外なんともないみたい。
「そうか。なら良かった」
『えっと、聞きたいことが。昨日のことなんですけど・・・』
「・・・すまない、それは結城が目が覚ましてから話す」
『目が覚めてからって・・・お兄ちゃん、どうかしたんですか？』
「実はな──」
先輩からの話によると私をあの怪物・シャドウから助けた後、倒れてしまったらしい。
「私は学園に行かないといけない。一人で大丈夫か？」
『はい、心配してくれてありがとうございます』
「ああ、じゃあな」
先輩は病室を後にした。
その後、お医者さんに診てもらって明日には退院できると言われた。
──4月12日・日──
お昼、部屋で本を読んでいると、ドアを叩く音が聞こえた。
「結城さん」
ドアの向こうから岳羽さんの声がしてなんだろうと思いドアを開けた。
『どうしたの？』
「あの、さ。お茶しに行かない？」
『へ？』
という事で、岳羽さんに誘われてポロニアンモールのシャガールに来た。
「ここのコーヒー美味しいんだ」
『そうなんだ』
岳羽さんに促されてコーヒーを飲む。
口に広がる酸味が鼻を通り抜けた。
『美味しい！』
「でしょ！・・・で、ちょっと話あるんだけど。実は・・・結城さんたちの家の事情知ってるんだ」
『・・・』
「だから私だけ知ってるのもなんだから私のことも話しておこうかなって思って」
岳羽さんは話し出した。
それはお父さんの事や彼女も私たちと同じように各地を転々としていた事だ。
「・・・これが話したかった事。はー、なんか話したらスッキリしちゃった」
『それはよかった』
「・・・ねぇ」
岳羽さんは少し緊張したように眉を寄せた。
「結城さんの事・・・名前で呼んでいい？」
『へ？』
真剣そうな顔をしたからこれ以上に深刻な話をするのかと身構えてしまった私には突拍子もない発言で間抜けな返事をしてしまった。
「だから・・・結城さんの事、奏弥って呼んでいいかって聞いてんの」
『あ、はい。いいです・・・』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
嫌われ者(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございますー！！頑張ります！！！！ (2020年12月29日 1時) (
レス) id: f438d46a26 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - ペルソナ3が一番好きでこの作品が自分のなかでお気に入りです。これからも応援してます！ (2020年12月29日 0時) (レス) id: 5abf626923 (このIDを非表示/違反報告)
嫌われ者(プロフ) - Aさん» わー！！！コメントありがとうございます(*^^*)頑張りますーーー！！！！ (2020年11月10日 0時) (レス) id: 891b605fe1 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - こんな素晴らしいペルソナ3の夢小説が見られて幸せです。久しぶりに追っかけたいシリーズができました。挿絵も綺麗で素敵です！これからも応援しております…！ (2020年11月10日 0時) (レス) id: 0554898f06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：嫌われ者 | 作成日時：2020年6月27日 16時
