第17話 ページ17
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けれど、私は知らなかった。
彼の諦めの悪さを。
「げ、」
「おはよう、A」
翌朝、学校に着くと校門に立っている見慣れた赤と白に別れた頭があった。
目が合うと挨拶を返され、ため息が漏れそうになる。
「いい加減、私に付きまとうのやめてくれませんかね…」
ハッキリと、今度こそハッキリとそう告げた。
これで彼が諦めてくれれば良いのだが。
彼を見ると、いつもと同じような真顔…にも見えるが、どことなく悲しそうな気がした。
でも、そんな顔をされても困る。
もうそろそろ、この関係も終わりにしないといけない。
「……わりぃ、本当に。…少しだけ、話をさせてくれねぇか」
彼は縋るような目で私を見つめた。
その目が、なんだか私は苦手で、見つめ返すことが出来ない。
「………少しだけね」
これで、本当に最後だから。
最後くらいは、彼のわがままを聞こうと思った。
「…ありがとな」
ホッとした顔でお礼を言われる。
私はその顔を見ないふりをして、手短にね、と素っ気なく返した。
こくりと頷いた彼は、静かに口を開いた。
「お前と付き合ってる奴って、心操ってやつか？」
「……へ？」
予想外の質問に、私は思わず変な声を出してしまった。
そういえば、この前は中学の“時から付き合っている”ということは言っていなかった。
「ち、違うよ！他校の人！」
「そうか……」
彼の前ではよく心操くんといたからなのか、どうやら勘違いをされたらしい。
慌てて否定すると、轟くんはなんとも言えない顔で少し俯いた。
「えっ、と……話って、これだけかな」
「……ああ」
「……じゃあ…もう、これ以上はやめてね」
「ああ、わかってる」
少しの沈黙の間、私は話を切り上げた。
私と心操くんが付き合っているかを、知りたかっただけなのだろうか。
じゃあ、と言って彼の側を離れようとした時、彼が言った。
「日曜、つくし公園」
その言葉に、私は足を止め、彼を見上げた。
「待ってる」
「え、」
「来なかったらそれでいい。それでお前を諦める」
急な発言に驚いていると、彼はまっすぐと私を見つめた。
「それで、本当に最後にする」
そう言った轟くんの目は、真っ直ぐで、嘘なんてついているようには見えなかった。
それでいて、淋しそうな色をしていた。
それを見せられた私は、なんだかいたたまれない気分だった。
つくし公園。
知らないはずなのに、どこか聞いたことのあるような気がした。
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なっつ(プロフ) - めっちゃハマりました〜！何回も読み直してます！続き待ってますね★ (2019年7月12日 8時) (
レス) id: 891cb8f982 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 轟君がピュアで可愛すぎる…！いいですね、ピュアろき君！更新楽しみにしてます！ (2019年7月3日 22時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨夜なつ | 作成日時：2019年5月24日 20時
