K 18 ページ18
勢いよく立ち上がり、寝室を出た。
リビングのローテーブルには
ホールケーキとご馳走。
ワインにワイングラスまで2人分ある。
リビングの中は、
さっきまで俺が酒を飲んでたリビングとは打って変わって、
オシャレなインテリアとかあったりして…
脱衣所に駆け込むと、２つ並んだ歯ブラシ。
…誰のだ？
風呂場を覗くと、シャンプー類がこれまた洒落たものに変わってる。
「ヒロ？
……青白い顔してる」
心配そうな顔した藤ヶ谷が風呂場まで追いかけて来た。
「…この歯ブラシ」
２つ並んでる歯ブラシを指すと
「ん？
もう変えた方がいい？」
って、歯ブラシを２つ手に取り、
「この間変えたんだけどな…」
と、呟く。
「…なんで藤ヶ谷が、ココいんの？」
歯ブラシ、俺とおまえの？
俺の問いかけに、眉間に皺を寄せ
「記念日にそんな冗談、欲しくないんだけど」
記念日？
「毎年祝ってんのに、忘れたとか言わないよね？」
毎年？
返事をしない俺の手をひいて、リビングに行き、ホールケーキの前に座らせた。
ホールケーキの上にはホワイトチョコのプレートに、藤ヶ谷の字で
“宏光誕生日＆♡記念日”
俺の誕生日と…なんだ？ハート記念日って。
ってか、なんで藤ヶ谷が俺の誕生日を祝ってくれんの？
わかんねぇ。
昨日、振られたばっかだぞ？
「今年はさ、ホワイトプレートと転写シートを買ったから、しっかり書けたんだ。
さすがに店員さんには頼みづらいからさ、
このチョコの転写シートが役に立ったよ」
眉間に皺を寄せてた藤ヶ谷が、いつのまにか笑顔の藤ヶ谷に変わってる。
「ほら、冗談はいいからさ、早くお祝いしよう！
まだ冷蔵庫に入れてるのもあるけど、とりあえずはコレでいいよね？」
ワインを開け、グラスに注ぐと俺の手に持たせた。
「ビールは後ね。
先にワインで…雰囲気よくお祝いしよ？」
いちいち可愛すぎる藤ヶ谷。
どうなってんだよ…
「じゃあ…
ヒロ、お誕生日おめでとう！
ヒロのお誕生日と、俺らの付き合いだして７年目突入に…
乾杯っっ！」
……っっ！？
.
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作者名：咲良
| 作成日時：2017年9月17日 14時
