K 13 ページ13
「あ、太輔!
迎えに来てくれたのー?」
やばっ!
慌てて曲がるのをやめて隠れる。
2人の声だけが聞こえる。
「まだ撮影、時間かかりそうで遅れてるよ」
「よかったー、セーフ!」
「で、コンビニ行くんだけど
一緒に行かない?」
女子か!
ひとりでコンビニ、行ってくれ!
話せねぇじゃん。
よこーさん、断わってくれ!
「しょうがないなぁ。
…その前に、ちょっといい?」
「ん?」
「…こっち」
え?
ドアが開く音。
ゆっくり2人の方を覗き込むと
空き部屋のドアをよこーさんが開き、
藤ヶ谷は促されるように部屋へと入った。
よこーさんは辺りを見渡してから、
部屋へと入り、ドアを閉めた。
……なんで?
なんで空き部屋なんだよ。
………“誰か”って、
まさか………?
鼓動が早くなる。
ゆっくりと足を進め、部屋の前で止まった。
ドアに耳を付ける。
微かだけど、聴こえてくるふたりの会話。
「太輔…明日…」
「うん」
「…ミツ、なんもないんだろ?」
よこーさんの口から俺の名前が出て、
心臓が飛び上がった。
「…ないよ。
北山は…今のままがいいんだから」
藤ヶ谷…
「…それじゃあ」
「うん。
…ごめんね、渉。
ずっと俺の我が儘で待たせたよね?
……これからは、渉の気持ちに応えていきたいと思ってる」
“誰か”は、よこーさんだった。
「太輔」
「わっ…渉っ?!」
!!!
何したんだ?!
ドアを思いっきり開けると
空き部屋のはずのそこは…
夜中のあの屋上になっていた。
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作者名:咲良 | 作成日時:2017年9月17日 14時