君に会うため【地縛少年花子くん】 (ページ17)

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16時の書庫　其の肆ページ17

「さて、じゃあ最後は花子くんかな」
「土籠ィ、俺の秘密は知りたい～～？」

ニィっと口元に弧を描く花子くんに土籠はこれ以上知りたくない、と答える。
俺はパス、と言って回避しようとする花子くんこ手を取ってずるい、と言う二人に乗じて私も声を上げた。

「私の秘密聞いたんだから花子くんも話してくれなきゃダメ……」
「そうだ！テメーもさっさと弱点話しやがれ！」
「フェアじゃないよねえ」

三人に寄って集って責められる花子くん。
ちょっと可哀想だけど。

そんなに俺のこと知りたいの、と茶化し半分で言う花子くんに知りたい、と答える。
勿論私も。

「……俺、自分語りって苦手なんどケド……じゃあエート……一つだけ……だよ」

ドーナツが好き、と恥ずかしそうに告げた花子くん。

えっげきかわ。ぎゃんかわ。何これ天使？？？知ってた。
花子くんの初照れいただきましたー！ごちそうさまです！

心中で大暴れして、けれども表には出さないように必死に平静を装う。

「俺はあなたの秘密も未来も全部知ってるもんですから今さら友人なんざ作る気はないものとばかり」

その声は少し安心したような、そんな気持ちが入っていたような気がして。

「ついて来な。依代まで案内してやる」

けれども入って良いのは寧々ちゃんだけだ、と言う土籠に花子くんはヨロシクね、と声を掛けて見送った。