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〜〜数年後〜〜
「やっぱりここにいた」
『…きんとき様』
あれから数年。私は今もワイテ城で
きんとき様と彼らと一緒に過ごしている。
目の前の墓石に向かい手を合わせ終えると
彼の方に視線を投げる。
『きんとき様』
「ん？」
『ありがとうございます』
私がそう言うと、Aの為だからね、と微笑む彼。
＿＿＿＿この墓石は、ボスのものだ。
きんとき様と想いを伝えあったあの日、あの後、
ぶるーくが来てある手紙を私に渡してくれた。
それは、ボスが自室に隠していたらしい手紙。
開けばボスの字で長々と文章が綴られていた。
目を通せば私の瞳は潤んでいった。
はじめて本当のボスの心に触れた気がしたのだ。
手紙には、
それのせいで私に酷い仕打ちをしてしまったことへの謝罪。
そして、
私のことを本当の子のように思ってくれていたこと。
私と過ごした日々は夢のように温かい時間だったと、書かれていた。
手紙を読んで私は
その真実を知り、暫くきんとき様の腕の中で泣いた。
せめて、せめてもの償いで
ボスの墓石を作って欲しいとお願いしたのだ。
きんとき様はそのお願いを受け入れてくれた。
だから、私は毎年こうしてボスの命日には必ずここに来るのだ。
＿＿＿ボスは、道を間違えてしまっただけ。
誰かがボスを忌み嫌おうと、ボスの存在は
私が、ずっと、永遠に覚えてる。
ボスのお陰で、私は今世界一幸せなのだから。
感謝してるんだ。
ボスが生かしてくれたこの命。
それでもう一度彼に会えたのだから。
「行こっか、A」
『はい』
手を絡ませ、私たちは歩き出す。
貴方の隣を歩ける世界。
暗闇で何も感じなかった世界はそれだけで明るくなった。
『きんとき様、』
ちょん、と指先に力を入れれば、
彼は私の気持ちを察してくれる。
頬に手を添えられ、
ふんわりと唇に感触が残る。
「ん、……ふふ、可愛い」
いまだにドキドキと煩い心臓と好きな人との接吻はなれないけれど
彼の愛おしそうな表情は何よりも幸せを感じられる
貴方に出会ったのは失敗なんかじゃなかった。
貴方が居るからこの世界は案外悪くないと思うことができた。
貴方となら、私はどこまでも進んでいける気がするんだ。
世界の真ん中で私は、私たちは、
＿＿＿＿幸せに今日を生きていく。
.end
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٩( ᐛ )و - 一気読みさせてもらいました！すごい美しい物語で…語彙力が溶かされました()心情の描き方がすごく柔らかくて細かくて心にくるものがありました！この物語に出会って楽しかったです！ (2022年12月23日 17時) (
レス) @page42 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - あずきさん» コメントありがとうございます…！！！わあああ嬉しいです…！！！！これからも頑張ります^^ (2022年9月30日 20時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
あずき - 完結おめでとうございます！！これからも応援させてください~！！⸜🙌🏻⸝ (2022年9月30日 19時) (レス) @page43 id: fed7a00a2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - せなさん» コメントありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです‼︎頑張ります^^| (2022年8月6日 2時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです...。。更新頑張ってください！ (2022年8月2日 1時) (レス) @page15 id: 4799d8c49a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆー | 作成日時：2022年7月23日 17時
