生まれ変われるなら。２【Kn】

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私の失態により悪い意味で目立った行動が多いというにも関わらず、怪我をすれば必ず治療をして、心配をし、言葉を掛ける。

身内しか信じていない彼らが
とことん私に甘い理由など、私には微塵も思い浮かばなかった



「言ったよな、俺」


『え、』


「俺が信用するまでﾀﾋぬなって」


『はい』


「まぁﾀﾋのうとした訳ではないと思うが、お前の自己犠牲精神は心底気に障る」


『……』



そう言われたとて、私だってわからない
どうしたらいいっていうの。



『私は、…』


「言わなくていい。
お前が言わなくとも正体はわかってる。
つまり、お前を匿った時点で俺も共犯って事だ」



スマイル様は言葉とは裏腹に少しばかり楽しそうに頬を緩めた
どういうつもりなのか全く見当もつかない。
私は吐き出すかのように言葉を投げた



『…馬鹿なんですか貴方は。
共犯だなんてそんな戯言言わないで下さい
貴方は本来すぐにでも私を差し出さなければならない筈です。
それなのに何故…、何故……ｯ』



＿＿＿ああ。苦しい。
喉の奥がグッとなって、息がし辛い

どうして。どうして私を助けるの。
あの二人を殺ったのは私なのに。

……きんとき様だって会場にいたんだ。
あの兵士のように目撃証言を聞いているに違いない
……私が裏切り者だと…勘付かれても可笑しくないはず。

自業自得なのに、なんでこんなにも胸が苦しいのかなぁ、。



「……だから向いてないって、言ったろ」



とても、とても優しい声でスマイル様はそう言った

此方へ伸びた手が私の目元まで距離を詰めれば、指で目尻をそっと撫でるように触れた.
その行為に私は自分が涙を流している事に気が付いた



『もういっその事、殺.して下さい。その方が、楽です』


「A。」


『…何ですか』


「お前はそれで楽になるかもしれないが、残される奴の気持ちを少しは考えた方がいい。
それでも変わらないなら、楽にしてやる」



残される人……
家族もいない私にそんな人なんていない
私がいなくなることで残された側だと思う人なんていないよ。

そう俯いていると
ガチャリと扉が開き廊下の光が強く差し込んだ



「A⁉︎大丈夫⁉︎」



勢いよく図書室に入ってきたのはぶるーくで。
私を見るなり心配した様子で近付いてきた



「…スマさん？泣かせた？」



ギロッと一瞬怖い顔を見せたぶるーくはスマイル様にぐちぐち何かを言っている



「A、」



その間に彼は私に優しく寄り添った。


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