異能者たちの学園１章【オリジナル】 (ページ43)

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第四十二話ページ43

中庭で眠っていると

霧「…知ってます？」

珍しく霧搭の方から話し掛けてきた。

しかも、まともそうな内容で…

夜「……なにが？」

目を開ける霧搭を見て訪ねた。

日の光が結構まぶしい…。

霧「なんだか、篠波のお嬢さん処分されるんですって～。楽しみだな～コレクションがまた増える」

そう言って彼は楽しそうな笑みを浮かべる。

夜「なんで処分されるんですか…？」

一応聞いてみた。

霧「んー？まぁ…偉大なる生徒会長さんが劣等生しかも学園１の不良と釣るんでたら、ねぇ？」

霧搭はわざとらしく俺を見た。

夜「…な!?」

分かっていた、心の何処かで分かってはいたけど…それは結構ショックだった。

霧「あと記憶が戻りかかってるからってのも原因らしいけど」

夜「…………」

俺はただ黙って考えこんでいた…。

篠波が処分…つまり、俺が篠波を殺るのか？と…。

霧「そういえば、次の生徒会長は誰でしょうね？夜鷹くんだったりして…」

クスリと笑いながら彼は言った。

夜「俺は生徒会長なんてしない、それに出来ない…」

そう言ってフードを深く被ると目を閉じた。

霧「あれ？もう寝ちゃうんですかー？」

そんな霧搭の言葉を無視して俺は目を閉じて考える。

俺が篠波を外に逃せないだろうか？

俺が篠波を処分させないように出来ないだろうか…と。

子どもの頃から今まで唯一の繋がりのある大事な人だから。

俺には「友」とか「愛」とか「恋」とかは良く分からない。

けど「大切」なのは変わりがないから守りたいと思った。