現実の悩み ページ31
先生に入部届けを出し、昼休みになった。
私は里帆と中庭に行き、そこで話そうと試みる。
「里帆。私が朝に言ってたことあるじゃん」
「好きな人のこと?」
「うん。私さ、まだ陽斗が好きなわけよ。でもさ、陽斗には会えないじゃん。だから私は、緑間君に彼は他界したって言っちゃったんだよ」
「あー、ね」
よくわからないが納得してくれた里帆を見てほっとする。
他界か。少しそういうのは失礼だったか?
でも陽斗は、この世界にいるわけじゃないんだし。
いいよね、少しくらい。
「…Aも大変だね」
「うーん。まあね。でも、里帆も向こうに好きな人置いてきちゃったじゃん」
「いや、まあ………でも、私はAみたいに付き合ってるとかそういうのじゃないし…私があの人を思ってる資格はないんだよね」
「……資格とかそういうの、いらないと思うよ」
「え?」
里帆は少し悩んでいた。
いつでも現実のことを見ていた。
だからこそ、この“夢”に溺れることはない。
私とは真逆で、心のどころで帰りたいと叫んでいた。
「人を愛するのは、誰もが平等になれることのひとつ。思ってるだけに、資格なんてあってたまるか」
「…そういうもんなのかな」
「……そういうもんだよ」
309人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未麗*ボード不調(プロフ) - 今頃ですよ! 今頃ここ読みました! やっぱり面白いです! (2016年12月14日 19時) (レス) id: a813412baf (このIDを非表示/違反報告)
どりーむ - いいいいええええ (2015年11月5日 19時) (レス) id: a72ef0d3ab (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - どりーむさん» 読んだんだ!?ありがとー (2015年11月5日 19時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
どりーむ - これメチャ面白かった (2015年11月5日 19時) (レス) id: a72ef0d3ab (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - ありがとうございます。今日実は遊べました(爆) (2015年11月3日 10時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずあいす | 作成日時:2015年10月19日 21時