家庭教師に恋する5秒前【東雲 彰人】

生徒が16人 ページ17

｢東雲・・・じゃなかった、彰人くん｣









｢・・・っす｣









お母様と話した後、彰人くんの部屋にお邪魔した。今日は授業がなかったけれど、もうすぐテストなのでサービスすることにした。怒られたらその時はその時だ。










｢それじゃあ特別授業、初めよっか。なんの教科する？｣










｢・・・・・・・・｣









｢・・・彰人くん？｣










｢っえ、あ、えと、そっすね、今日は・・・英語、お願いします｣









｢う、うん。分かった。じゃあ教材出しといて｣









おかしい。今日の彰人くん明らかにおかしい。









いつもなら上の空になる事なんて有り得ないし、何より1番有り得ないのは、真っ先に保健体育って言わないところ。









・・・なんでだろう？さっきまで普通だったのにな。









まぁいいか。考えたところで分からないし。今は授業に集中。








｢よし、じゃあ始めよう。彰人くん、一番苦手なところはどこ？｣









｢・・・えっと、ここ、っすかね｣









｢OK。それじゃあここを重点的に教えるね。まずこれは_______｣



















｢・・・だから、ここの答えは現在進行形になる。分かった？｣









｢はい、なんとなく｣









・・・おかしい。なんでこの子起きてるんだ。もう始まってから30分も経ってるのに。休憩取ってないのに。









｢・・・今日元気だね｣









｢別に、いつもこんな感じじゃないですか？｣









｢開始5分で全てを諦める奴が何言ってるんだ｣









頑張ってるし、そろそろ休憩入れてもいいかな。今日は休憩多めで。









｢んじゃ、彰人くん頑張ってるし、休憩しようか｣









｢・・・いや、もうちょっと教えてもらっていいですか｣









｢・・・・・・・え、うん、いいけど｣









｢なんすか今の間｣









｢・・・彰人くん頭打った？｣









｢は？｣









｢いや、だってこんなに集中してるというか、真面目なの珍しい・・・君が自分からそんな提案してくるなんて、余っ程の事があっても有り得ないと思ってたのに｣









｢人をなんだと思ってるんですか。・・・別に、そろそろテストだし、本気で頑張んねぇとって思っただけですよ｣









｢それが有り得ないって話｣








｢あんたそれでも先生っすか｣

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