幼なじみコンプレックス[赤司征十郎]

コンプレックス7 ページ7

「ふーん、つまりこれは後ろから幽霊が出るパターンでしょ知ってる知って…ぎゃぁぁぁぁ！征ちゃんヘルプ！！倒して来て！」


いやいや、そんなこと言われても困ると言うものだ。
だってこれはレンタルDVD屋で借りてきたホラー映画であり、現実にはいないのだから。

というか、怖いのが苦手な癖にどうしてわざわざ見たいと思うのか不思議でならない。


「征ちゃんどうしよう私の後ろに幽霊いるかも」

「居ないから。居たら困るから」

「だ、だよねだよねー」


「あ、Aの後ろに」「ぎゃぁぁぁぁ！！」


とりあえずAの反応が面白いので、いじってみた。もちろん真顔で。

ううっ…と涙目で腕にしがみつくので、やりすぎたなと反省しつつ、Aの頭に手を置くのだった。





だからこんな子供っぽいAが、ふにゃりと笑うAが、学校ではお嬢様キャラだなんてびっくりである。


「でね、その時テツくんがー！」

「ふふっ、本当にさつきちゃんは黒子くんが好きなのね。黒子君が羨ましい」


そんなぁーと頬を真っ赤にくねくねしている桃井。おい、惚れるなよ桃井。相手は女だぞ。


「Aちゃんはそういう人いないの？」

「ううーん、恋愛とか興味無いかなぁ」


顔に手を当てて話すAを見てげっとする。


……何が恋愛に興味無いだ。
お前確か将来の夢『可愛いお嫁さん♡』だろ。恋愛バリバリ興味あるだろ。

そう思いつつ遠い目をしていたら、「赤司っちなんか怖い顔してるっスー」と黄瀬が騒いでた。

黙れ駄犬。

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