第78話 ページ42
結局、その日の収録はれおくん一人で出演。
俺は楽屋で、ずっと収録が終わるのを待った。
「セナ、いるか？」
無心で雑誌のページをめくっていた手を止めて、帰ってきたれおくんの方を振り向く。
「…ああ、終わったの」
「うん。それとなく調べてみたけど、一部のスタッフは何か知ってる感じだったな。他のタレントとか若い新人のスタッフは何も知らない様子だった」
「…ふうん」
一部のスタッフが、いわゆる“上層部”に圧力をかけられた、って事ね。
「ごめんな、そのスタッフに話を聞くことは出来なかった」
れおくんが申し訳なさそうに、ゆっくり椅子に座る。
「なんで、そこまで…」
「えー？ユニットのメンバーなんだから当然だろ？」
またいつもの笑顔になって、れおくんは元気にそう言って俺の背中を叩いた。
決めた。
絶対にこの件は俺が1人で片付ける。
このままじゃ、俺だけじゃなくてknightsにも害が及ぶかもしれない。
これ以上、勝手は出来ない。
＊＊＊
「…今日も、同じだったわね」
なるくんが沈黙を破って呟いた。
あの日から俺の仕事は激減していくばかり。
knightsが出演する歌番組も、俺だけ出られない。
だから俺だけ、最近は暇を持て余している。
「もしかして…お姉さまと瀬名先輩の関係が知られたのでしょうか…？」
「ス〜ちゃん、それは無いよ。もしそうならマスコミがこんなに静かなわけないし」
最近はAの体調のことも考えて、あまり会っていない。
一応、毎日電話で話してはいるけれど…Aの様子からしても、異常は感じられなかった。
「ふふ、分かっちゃった…♪」
れおくんの家に全員で集まって会議をすること2時間。
何度目かの沈黙を破ったくまくんが意味深な笑顔を俺に向けた。
「おっ、なんだリッツ！何が分かった！？」
「leader、お静かに」
身を乗り出すれおくんをかさくんが押さえて、くまくんは勿体ぶるように口を開く。
お茶を一口飲んで、すうっと息を吸う。
「セッちゃん、これだよ。この事だったんだよ」
「はぁ？」
「ほら、セッちゃんの可愛い〜奥様の♪」
「あ…」
なるほどね。
腐ってもあいつは、お金持ちのお嬢様で大物政治家の娘。
後ろから手を回して、俺の仕事量を減らしていたっていうわけ。
「あいつにしては、頭使ったよねぇ」
「そんな悠長なこと言ってられないわよ？このままじゃ泉ちゃん…」
絶対、後悔する。
続く (更新停止中)
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Kotathubuton09(プロフ) - 頑張ってください！ (2019年3月1日 21時) (
レス) id: 6611921f0f (このIDを非表示/違反報告)
スカーレット - まなまなさん» ありがとうございます！面白いと言っていただけて、私のやる気に繋がってます！更新頑張ります！ (2019年2月14日 14時) (レス) id: a99c00a32e (このIDを非表示/違反報告)
スカーレット - 美咲さん» ありがとうございます！！頑張って更新します！！ (2019年2月14日 14時) (レス) id: a99c00a32e (このIDを非表示/違反報告)
まなまな - もう、早く次の話が見たくて仕方ないです！面白いので更新頑張ってください！ (2019年2月14日 0時) (レス) id: a79d567116 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - このお話、自分の好みドンピシャで毎回更新されるたびに楽しみに読ませていただいてます！応援してますね！！ (2019年2月13日 0時) (レス) id: 2f15307bb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スカーレット＊アルテミス | 作成日時：2018年10月20日 19時
