第39話 ページ2
長い廊下を1人で進み、扉の前でふと足を止める。
「はぁ…」
いつもなら、何の遠慮も躊躇いも無く入っていくのだけれど、今日はそういうわけにはいかなかった。
5人で揃うのは、これが最後。
さっきから何度も何度もその言葉が頭をよぎる。
「失礼しますっ…！！」
覚悟を決めて、その扉を開ける。
「あら、遅かったわねAちゃん」
「A、おい〜っす♪」
「お姉さま！」
「ちょっと、遅いんだけど！！」
「A〜！！早く来いよー、おれの隣！」
思っていたより、なんだかいつも通り。
「…。」
私だけがしんみりしていたみたいで、なんだか馬鹿らしく思えてきた。
(だったら私も、いつも通りにしなきゃ)
「あ、司またお菓子食べてるー」
「え、ち、違いますお姉さま！これには深いreasonがありまして」
「ちょっとかさくん、さっき没収したよねぇ」
「隠し持ってたんだ〜…♪」
あまりにも平和すぎて、今日が卒業式だって忘れそうになる。
「そういえば、王さまは卒業したらどうするの？アイドル辞めちゃうの？」
嵐がテーブルの上のクッキーをつまみながら言った。
「んーおれか？そうだなー、しばらくステージには立たないで宇宙と交信する」
「…そ、そう」
レオが真剣な表情で宇宙と交信とか言うとガチに聞こえる…。
まぁ、つまり作曲の方で仕事するって事だよね。
「それで？knightsはどうすんの」
やっとの思いで司からお菓子を取り上げた泉が、凛月に向かって聞いた。
「なんで俺に聞くの」
「はぁ？あんたが次の王さまでしょ？最年長なんだから」
凛月は眠そうな目をこすりながら、大きな欠伸。
この人、泉の話聞いてないよね、うん。
絶対聞いてない。
「knightsね…ナッちゃん、どうしたい？」
「そうね…まだそんなに深く考えたことないわね。これから考えるましょ」
「ほんっと悠長だよねぇ…」
そっか。
これからはknightsは3人で、凛月が王さま…。
王さまっていうか、眠り王子って感じだけど。
あ、もしかしたら新しい1年生が入ってくるのかな。
「Aは、これからもknights専属だよね？」
「何言ってるの凛月。私はもう専属じゃないよ」
「え」
え。
だって私をknights専属にしたのはレオだし、そのレオが卒業するんだからその契約は無くなるし。
「へぇ、そうなんだ」
「凛月先輩、生徒会に言えばまた専属に出来ると思いますが…」
司の言葉に、凛月は首を横に振った。
「その必要は無いよ」
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Kotathubuton09(プロフ) - 頑張ってください！ (2019年3月1日 21時) (
レス) id: 6611921f0f (このIDを非表示/違反報告)
スカーレット - まなまなさん» ありがとうございます！面白いと言っていただけて、私のやる気に繋がってます！更新頑張ります！ (2019年2月14日 14時) (レス) id: a99c00a32e (このIDを非表示/違反報告)
スカーレット - 美咲さん» ありがとうございます！！頑張って更新します！！ (2019年2月14日 14時) (レス) id: a99c00a32e (このIDを非表示/違反報告)
まなまな - もう、早く次の話が見たくて仕方ないです！面白いので更新頑張ってください！ (2019年2月14日 0時) (レス) id: a79d567116 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - このお話、自分の好みドンピシャで毎回更新されるたびに楽しみに読ませていただいてます！応援してますね！！ (2019年2月13日 0時) (レス) id: 2f15307bb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スカーレット＊アルテミス | 作成日時：2018年10月20日 19時
