修学旅行の秘密 ページ5
「え、枕投げ？」
「うん。スバルくんたちがやるんだって。わたしも参戦してくるね！！」
Aもいく？と誘われたけれど、断った。
もうお風呂入ったし、汗はかきたくない。
あんずが部屋を出て行って、私は1人でぼーっとスマホを弄る。
こういう所が、可愛らしくないのは分かってるんだけどさ。
「…A、いるのか？」
部屋の扉をノックされ、はっと顔をあげる。
そっか…スマホ弄ってたら時の流れ早いなぁ。
「うん。どうしたの北斗。枕投げしてたんでしょう？」
「そうなんだが…ふいに、Aに会いたくなったんだ」
北斗もかなりはしゃいでたんだろうな、いつもは綺麗に整ってる髪も、今日は少し乱れてる。
「そこに立ってるのも変だし、中に入りなよ。お菓子食べるー？」
「間食は体に良くないぞ」
「まあまあ、たまには自分へのご褒美だよ」
「…そうだな」
北斗が、ふっと笑顔を見せる。
私の大好きな、北斗の笑顔。
「そういえばこの部屋は、夜は紅葉と夜空がとても綺麗に見られるらしいな」
「そうなんだ！！確かに綺麗〜」
ライトアップされた紅葉、夜空の星。
なかなか見られるものではなくて、なんかテンションが上がってしまう。
「…俺も、Aとこの景色を見たかった」
「…うん、ありがとう北斗」
綺麗な紅葉と星に見惚れていたら、隣にいた北斗の手が私まで伸びてくる。
撫でるように頬に触れ、髪を耳にかける。
「ん…っ」
「Aの浴衣も、綺麗だな」
「え…？」
人から綺麗だと言われたことがなくて、私は驚く戸惑うばかり。
あーあ、可愛くない。
もっと女の子らしい反応できたらいいのに。
「…A」
北斗と私の距離がゼロになる。
唇に、北斗の柔らかい感触が伝わる。
私の髪を乱す。
「…っ、北斗…っ」
次第に深くなっていく、北斗のキス。
どうしよう。
そろそろ、あんずが戻ってくるのに。
「…！やだっ、待って…！」
北斗の唇は私の首筋を這う。
そして彼の手は…浴衣の帯へ。
ゆっくり帯を解かれて、そのまま布団の上に押し倒される。
「や…っ、だめ、北斗…っ」
普段は冷静な北斗が、珍しい。
でもまぁ、
たまには大胆な北斗もいっか。
「北斗…続きは今度にしよ？もう先生の見回りくるから北斗も帰らないと…」
「…わかった。また今度、な」
その「また今度」を強調するように言い残し、彼は部屋を出て行った。
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作者名：スカーレット＊アルテミス | 作成日時：2017年11月21日 19時
