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私の部屋に3人で戻ってきた。
氷「3人はいるとちょっと狭いね」
貴「え、そうかな」
めちゃめちゃスペース余ってるけど。
氷「ちょっと俺自分の部屋にいるから」
貴「うん、わかったぁ」
氷「30分は帰ってこないからね」
辰也くんは30分、を強調して言った。
貴「えー、なんでそんなに念押しするの?」
氷「ふふ、シュウのためだよ」
じゃあね、と言って部屋から去っていった。
貴「虹村のためって、どういう」
ぎゅう
虹村が抱きついてきた。
貴「甘えんぼさんになっちゃったの?」
虹「…久々だからな」
貴「え〜、久々だと甘えんぼさんになっちゃうんだ」
虹村は私の頭を撫でた。
懐かしいなぁ、この感じ。
虹「なぁ、A」
貴「なに?」
近くで聴こえる、虹村の優しい声。
好きだなぁ。
虹「好き」
それは、口の動きなんかじゃなく
ちゃんと、耳に入ってきた声。
貴「えぇ、今?」
虹「いま」
貴「…今までなんのために我慢してたの?」
虹「それが分かんなくなったから」
虹村の、私の頭を撫でる手が止まった。
虹「俺ら、今まで何を守ってたんだろうな」
虹「ごめんな」
虹「もう、いんじゃね」
貴「ばか」
虹「返す言葉もねぇよ」
貴「もう一回、言って」
虹「A、好きだよ」
虹「おめーは?」
貴「すき」
虹「はは、知ってた」
貴「私だって知ってたよ」
どんな恋人ごっこより
ずっとずっとあまい。
虹「あー、やっぱめっちゃかわいいA」
私の肩に顔を埋める虹村。
虹「すげぇ好き」
貴「ふふ、わたしも」
虹「全部好き」
虹村のことば一つ一つが
私の中にゆっくりと溶けていく。
貴「あまあまじゃん」
虹「そりゃそうだろ、ずっと我慢してたんだからな」
貴「我慢できてない時もあったけどね」
幼かった私達の恋人ごっこ。
虹「旅行行った時とかな」
貴「あれやばかった、そう言えば卒業式前日もやばかったよね」
虹「完全にアウトだったな」
貴「でもあれはあれで楽しかったよね」
虹「遠距離になると流石に厳しかったな」
貴「うん、ほんとに」
たくさん悩んだりしたけど、
私達はこれで良かったんだ。
こんな結末が待っていたのなら、
きっと、悩んだ日々も無駄じゃなかった。
虹「A、好き」
貴「わたしも、虹村がすき」
虹「目、閉じて」
貴「…うん」
名前のない私たちに
名前を与えるように。
私の頬に手が添えられて
そっと、唇にキスが落とされた。
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雪葉 - はい!頑張ってください!(*^▽^*) (2019年9月17日 22時) (レス) id: e8c65ee3c5 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - 雪葉さん» 雪葉さん、ありがとうございます!ゆっくりの更新になってしまうかもですが、気長に待っていただけるとうれしいです! (2019年9月16日 9時) (レス) id: 06f33d0a69 (このIDを非表示/違反報告)
雪葉 - 虹村さんかっこいいですね~小説がんばってください!応援してます! (2019年9月16日 7時) (レス) id: e8c65ee3c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢莉 | 作成日時:2019年8月28日 21時