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貴「楽しかったね」
虹「おー、そーだな」
歩き慣れた帰り道を2人で歩く。
貴「寂しいなぁ」
私の可愛い可愛い後輩達。
きっとこれからもっともっと成長するんだろうなぁ。
虹「卒業するまでは同じ学校にいんだからいつでも会えるだろ」
虹村は呆れ顔でそう言った。
貴「一緒にいれる時間が短くなっちゃうでしょ」
言ってるだけで寂しくなってくる。
虹「んな好きか」
愚問だ。
貴「うん、みんなだいすきだよ、可愛い後輩だもん」
虹「俺より？」
真面目な顔でそう聞いた虹村。
貴「ん〜、7人足したら虹村は負けちゃうね」
虹「そーかよ」
満足とも不満とも取れない顔をする。
貴「じゃあ虹村は後輩と私どっちが大事なの？」
いたずらっぽく聞く。
私って言ってくれないかな、なんて思いながら。
虹「お前」
虹村はじっと私の目を見て言った。
貴「な、何それ」
慌てて目をそらす。
言って欲しいとは思ったけど、
ほんとに言う？
絶対後輩って言うと思ったから、
そんな言葉が来る準備をしていなかったから、
思わず顔が赤くなってしまった。
虹「照れんなよ、気持ち悪ィ」
貴「気持ち悪いこと言ったの虹村でしょ」
虹村のこと割と知ってるつもりだけど
たまに変化球が飛んでくる。
すごい勢いで。
こまるなぁ、もう。
虹「ありがとな」
貴「へ？」
言わなくても分かるだろ、って顔をしている虹村。
私達は絶妙なバランスを保っている。
どちらかが言ってしまったら終わり。
どちらかがブレてしまいそうになったら
どちらかがすぐさま正してあげる。
そんなことの繰り返しだ。
お互いに心地良くここまで関係を続けてこれたのは
口に出さないお互いの努力ありきなのかもしれない。
貴「こちらこそ、ね」
虹「おー」
後輩達がくれたプレゼントは
後輩達の思うようにはいかなかったけど
やっぱり私達はこのままでいいんだ、って
そう気付かせてくれた。
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作者名：夢莉 | 作成日時：2019年8月14日 16時
