episode171〇 ページ37
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｢大人になるって……こういうこと？｣
｢量はどの位かな…初めてだからすこしでいいか｣
はぁ。と呆れる佐野を無視し、とぷ、とコップに注がれる透明な液体
ほい。とコップの1つを佐野に渡せば、帰って来たのは曇ったため息
｢Aチャンさぁ、これなんの酒か知ってる？｣
｢焼酎でしょ？書いてあるじゃん。馬鹿にしないで｣
｢そうでなくてだな、どの位強ぇ酒か知ってるのかい？｣
｢…？お酒にレベルがあるの？｣
｢…………はい、これはぼっしゅーね｣
｢ああ！そんなっ｣
手を伸ばす私に佐野は、酒は俺と20歳になってからな。と頭を撫でた
｢あーあ。大人になれると思ったのに……｣
お酒が没収されてしまったので仕方なく、とぼとぼと部屋に帰ってきて佐野のベッドに背を預ける
その隣に佐野が胡座をかいて座った
｢大人になんか、嫌になるほど早くなれるってシンイチローが言ってたよ｣
｢あと5年だよ……長いよ｣
そもそも大人って、どんな定義をもって大人と言われるようになるんだろう
やっぱり成人してから？でも成人しないで子供産む人もいるよね？その人たちはその子供から見れば大人だけど、世間から見たらまだ子供ってこと？
……そういえば、大人の階段の登り方っていう本が、お姉ちゃんの本棚にあったっけな…
｢あ｣
｢今度はなーに｣
｢あった。大人になる方法｣
まだ未成年の私たちが、年齢関係なく手っ取り早く大人の仲間になれる唯一の方法
｢……は？A！？おま、なにしっ｣
セーターを脱ぎ終わった私は、そのままワイシャツのボタンも外していく
そして部屋を出ていこうとした佐野の腕を、引き止めるように掴んだ
｢佐野｣
｢……なに｣
｢こっち向いて｣
｢無理だろ……｣
｢私の事、見て｣
ね？と最後にひと押しすれば、観念したのか、決して目線は合わせないように、ぎこちなく油の切れたロボットのように首だけを動かした
｢佐野、これだよ。私たちが、大人になれる方法｣
｢……絶対、違うと思う｣
｢試して見なきゃ、分かんないよ｣
｢A、自分が何言ってんのか分かってる？｣
｢うん……｣
｢うんって……｣
はぁ、と天を仰ぐ佐野に、私は最後のひと押しをかける
｢私も、すごく恥ずかしいけど……佐野になら、いいと思ったの
佐野になら、全部あげられる…｣
だから、お願い
佐野の手で、私を大人にして…
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歴女 - みんなが幸せになれる、ハッピーエンドだといいいです！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 久しぶりの更新めっちゃ嬉しいです！通知きた瞬間叫びました笑更新してくださるだけでもう神です…！データ消えるのきついですよね。。本当に大好きな作品です！応援してます！ツナさんのペースで更新頑張って下さい！ (2022年11月5日 19時) (レス) @page45 id: 70628fcb09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ - さすが最高一位。格が違いますね←上から目線過ぎ しかしほっんとーに好きです、このお話。 (2022年11月2日 18時) (レス) @page44 id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)
詩 - 一気読みしてまじ止まらんかったです、この作品本当に好きですっ！応援しています！！ (2022年6月14日 19時) (レス) @page44 id: bb966ca157 (このIDを非表示/違反報告)
亜美(プロフ) - うわぁ、、。だいすきすぎる……。もう更新は、、多分しないか。続きは頑張って私が妄想したおします笑！！本当に本ｯｯｯ当に面白かった！！こんな面白い作品を、ありがとうございました＜(_ _)＞ (2022年6月3日 20時) (レス) id: b476552735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2021年12月3日 21時
