episode117〇 ページ27
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それから私たちは近くのカフェに入った
店内に入った途端、芯から冷えていた体が段々と暖を持っていく
灰谷さんは詫びだと言って、キャラメルラテと、あと抹茶ブラウニーを奢ってくれた。ブラウニーの方は、姉がよく彼の前で食べていたものらしい。
｢……1年前の今日、ここに来た｣
席に座ってから数分、ずっと黙りだった灰谷さんがついに口を開いた
私は一言も聞き逃すまいと、今にも消えそうな声に必死に耳を傾けていた
｢あいつと来たんだ。クリスマスはぜってぇ混むだろうから、前日に来ようって言って……あいつ人多いとすぐ迷子になっからよ｣
確かに、お姉ちゃんは昔からよく迷子になってはお母さんの顔を青ざめさせていた。
デパートなんかに行けばものの数秒で姿を消すことなんて、日常茶飯事レベルで起こっていた
｢あいつだけが……弥生だけが、俺の心の拠り所だった。こんな喧嘩ばっかしてクズみてぇな事山程してた俺でも、あいつみてぇな綺麗な女の隣に居れるんだって｣
その後も、灰谷さんはお姉ちゃんとの出来事や日常を話してくれた
私にとってその話は、私の知らない姉の姿を知るとても貴重な経験と時間だった
｢俺はあいつが好きで好きで仕方なかった。でも俺といることであいつがクソ教師から嫌味言われてるって知って……そんでむしゃくしゃして毎日喧嘩に明け暮れてたら、見事すれ違いってやつになってさ｣
確かに、2月頃だろうか
お母さんが1度、お姉ちゃんの学校に呼び出されたことがあった。成績優秀で優等生のお姉ちゃんが親の呼び出しなんて今までに1度もなかったから、それは我が家にとって一大事で…
｢もつ1ヶ月くらいは会ってなくて、あいつの誕生日が近かった3月、あいつの好きだったブランドの服とかバックとか一式全部買って渡そうとした時には
もうあいつはこの世にはいなかったんだ｣
どくり、と心臓が嫌な音を立てていく
勿論、目の前の灰谷さんはあの日の事情を知らないから悪意を持って私に言ってるんではない。
それはわかってるけど……
やはり、姉の死…つまり私の過ちによっていろんな人が不幸になったといざ分かったら
すごく、怖かった
そして何故かふと、頭には絹ちゃんの事が浮かんだ
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kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
