episode110〇 ページ20
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とにかくあんな姿、二度と佐野の前で出さないようにしなくちゃ……
自分の理性を、もっと保たなきゃ……
私よりも絹ちゃんを信じたからって、あんな、子供みたいな姿……
｢待てよA！｣
｢っ佐野！？｣
私を呼ぶ声に振り返れば、珍しく息を晴らして汗を拭う佐野の姿があった
ここまで追いかけてきたんだ……
｢もう、どうしたらいーかわかんねぇ｣
｢え……？｣
｢……俺も、Aが……｣
私、が……？
どきりと、胸が跳ねる
｢……ねえ、何してるの？｣
その時、後ろで氷のような声と共に、バサりと何かの袋が落ちる音がした
そしてその声は肉食動物の牙の如く私に剥いていて、油断してれば噛まれてしまいそうな程怖かった
｢……あ｣
当然だ。なぜならそこには、あろう事か絹ちゃんが立っていたんだから。
｢絹、これは……｣
｢マーくん……なんで……？
私、Aちゃんに嫌がらせされてるって言ったよね……？｣
｢っそうだ、その事で言いたいことがある。
絹、Aに謝れ｣
｢は？なんで？｣
｢なんでだと？Aは本当にストーカーにあってた。
Aに嫌がらせされたのも、全部嘘なんだろ｣
｢……嘘じゃないもん｣
｢絹。お前いい加減にしろよ。俺を傷つけるのはいいけどよ、Aまで巻き込むのは許せないんだよ……｣
会話に入る隙間もなく、私は佐野と絹ちゃんの会話の行く末をただ聞いていた。
佐野は今までとは違うキレ方をしていて、冷たい声が絹ちゃんにむく度、彼女の顔がどんどん青くなっていく
復讐と言ったらいい気持ちはしないけど、佐野が私の為に怒ってくれるってだけで、充分嬉しかった
｢……絹ちゃん
私のことを陥れたことと、あとボイスレコーダーを壊したこと。この二つを謝って欲しい｣
｢……ごめんなさい…っ
騙してごめんなさい。壊してごめんなさい｣
そう言って頭を下げる彼女の言葉は、嘘のようには見えなかった
まぁボイスレコーダーの件に関しては私の落ち度もあったわけだし、過去に囚われず前に進む為の1歩だとでも思うとしよう。もう、寂しくなってもあの声は聞こえないけれど。
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kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
